プログレスM-42

プログレスM-42（ロシア語: Прогресс М-42）は、ロシア連邦によって開発・運用された無人宇宙補給機「プログレス」シリーズの一機です。この機体は、当時運用されていた宇宙ステーション「ミール」への物資輸送という重要な役割を担っていました。プログレス補給船の242番目の機体として製造され、その任務に就きました。

このミッションは1999年に開始されました。プログレスM-42を宇宙へと送り出すため、ソユーズ-Uロケットが使用されました。打ち上げは、カザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地の1/5発射台から、1999年7月16日19時37分33秒（モスクワ時間）に実施されました。これは協定世界時（UTC）では同日16時37分33秒にあたります。ロケットは順調に飛行し、プログレスM-42を所定の軌道へと投入しました。

打ち上げから約2日後、プログレスM-42は宇宙ステーション「ミール」に接近しました。そして、1999年7月18日20時53分21秒（モスクワ時間、UTCでは17時53分21秒）、自動操縦システムによって、ミールのクバント1モジュールへのドッキング（結合）を無事成功させました。これにより、プログレスM-42はミールの一部となり、搭載していた物資の移送が可能となりました。

補給機であるプログレスM-42には、ミールでの長期滞在を続ける宇宙飛行士たちの活動を支えるための多種多様な貨物が搭載されていました。このミッションで運ばれた貨物の総重量は2419.6キログラムに及びました。搭載されていた物資には、ステーションの軌道維持などに不可欠な燃料、宇宙飛行士の呼吸に必要な酸素を含む空気、様々な科学実験に使用される装置類、宇宙での生活に必要な個人用保護品、そして地球にいる家族や関係者からの宇宙飛行士宛ての小包などが含まれていました。これらの貴重な物資は、ミールでのクルーの健康維持、科学研究の継続、そしてステーション自体の安定的運用に不可欠なものでした。

プログレスM-42は、ミールにドッキングした状態で約半年間、ステーションと一体となって運用されました。補給任務を終えた後、2000年2月2日6時11分52秒（モスクワ時間、UTCでは3時11分52秒）に、ミールのクバント1モジュールからのドッキングを解除しました。その後、プログレスM-42は自律飛行によってステーションから安全に離れ、補給機としての役目を完了しました。この機体による物資輸送は、ミール宇宙ステーションの運用終了が近づいていた時期においても、その活動を支える上で重要な貢献を果たしました。

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