無人宇宙補給機

無人宇宙補給機について

無人宇宙補給機とは、宇宙ステーションへの物資や機材の補給を目的に設計された無人の宇宙機です。有人飛行を前提としていないため「無人」とされていますが、宇宙ステーションと接続されている間は宇宙飛行士が出入りできる構造になっています。初めての無人宇宙補給機は、1978年に打ち上げられたロシアのプログレス1であり、その後もサリュートやミール、天宮2号など、さまざまな宇宙ステーションへの補給を担ってきました。現在では国際宇宙ステーション（ISS）や中国の宇宙ステーション（CSS）への補給が主な役割です。

主な運用中の無人宇宙補給機

• - ロシアのプログレス補給船: 1978年1月20日から運用教えているこの補給船は、宇宙ステーションへの補給の大部分を担っています。過去に数回、無人のソユーズ宇宙船と併せて打ち上げられた例もあります。

• - アメリカのドラゴン2: スペースX社が開発したこの宇宙船は、NASAの商業乗員輸送開発（CCDev）政策の一環として開発され、有人と無人の両方のミッションを行います。2019年に初の無人試験を成功させ、2020年に有人運用を開始しました。

• - オービタル・サイエンシズのシグナス: 2013年に運用が始まり、商業補給サービス（CRS）としてISSへの貨物輸送を担っています。

• - 中国の天舟: 天宮計画に基づく無人の補給船で、比較的高い輸送能力を持ちます。天舟1号が初めて打ち上げられ、以降も実用的な運用が続いています。

• - CST-100スターライナー: ボーイング社による宇宙船で、無人運用の成功に向けた試験が行われています。

運用終了した補給機

• - ロシアのTKS: 1981年から1991年まで運用されていました。

• - 欧州補給機（ATV）: 2008年から2015年まで活動し、計5機が運用されました。最大で7.5トンの貨物を運ぶ能力を持っていました。

• - スペースXのドラゴン: 最初の補給船は2012年に打ち上げられ、2020年に活動を終了しました。

• - 日本の宇宙ステーション補給機（HTV）: 2009年から2020年まで、特に日本独自の技術で宇宙ステーションに物資を補給しました。

今後の開発

• - 新型宇宙ステーション補給機（HTV-X）: HTVの後継機として開発中で、よりコストを抑えた設計がなされています。

• - ドリームチェイサー: シエラ・ネヴァダ・コーポレーションが開発中の無人補給機です。

• - ドラゴンXL: 月周回軌道の有人拠点ゲートウェイへの補給を目的として、スペースXが開発しています。

現在、無人宇宙補給機はいくつかの国の技術協力によってその運用が進められており、今後の発展が期待されます。各国の成果は、国際的な宇宙活動の深化にも寄与することでしょう。

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