プロビデンス (原子力潜水艦)

USSプロビデンス (SSN-719)

USSプロビデンス（SSN-719）は、アメリカ海軍に属するロサンゼルス級原子力潜水艦の32番艦です。この艦の名前は、ロードアイランド州の州都プロビデンスに由来しています。プロビデンスという名を持つ艦船としては、過去に存在したプロビデンス級ミサイル巡洋艦から数えて5隻目となります。

艦歴の概要

プロビデンスは、1979年4月16日にコネチカット州グロトンのジェネラル・ダイナミクス・エレクトリック・ボート社にて建造が発注されました。1982年10月14日に起工し、1984年8月4日にウィリアム・F・スミス夫人によって命名されて進水しました。艦長E・モロウ大佐の指揮のもと、1985年7月27日に正式に就役しました。

この艦は、ロサンゼルス級潜水艦の中で初めてトマホークミサイルの垂直発射システム（VLS）を装備した艦となります。具体的には、他の艦艇で使われるテスト用の箱やプログラムとは異なり、プロビデンスは戦闘システムCCS MK1とそれに関連するソフトウェアC4.1を用いて初めてVLSからトマホークを発射した潜水艦でした。

主な展開先と作戦活動

プロビデンスは西大西洋、地中海、ペルシャ湾で数回の展開を行い、様々な親善訪問も行いました。特に、フロリダ州のポート・カナベラルやポート・エヴァーグレーズ、プエルトリコのルーズベルト・ローズ海軍ステーション、ノルウェーのトロムセ、さらにはジブラルタルやフランスのトゥーロンなど、広範囲にわたる寄港を経験しています。

また、1998年、2001年、2003年にはスエズ運河を通過。ペルシア湾では、サザン・ウォッチ作戦や不朽の自由作戦、イラクの自由作戦に参加し、その際「紅海ウルフパックの大きな犬」という愛称を持たれました。さらに、2011年3月には国連安保理決議1973に従い、リビア沖に展開しオデッセイの夜明け作戦にも従事しました。

統計と受賞歴

USSプロビデンスは、コネチカット州グロトンのニューロンドン海軍潜水艦基地において第4潜水戦隊に所属していました。彼女は数々の名誉を受けており、3つの装甲軍遠征メダル、3つの海軍遠征メダル、4つの部隊勲功章、4つの海軍殊勲部隊章、5つのバトル「E」を受章し、最近の成果としてはテロ戦争遠征メダルも授与されています。また、1988年にはトマホーク・ストライク・ダービーにおいても表彰されました。

引退とその後

2021年9月23日、プロビデンスはワシントン州ブレマートンに到着し、退役に向けた準備を始めました。2021年12月2日に正式に退役し、その後、2022年の8月に除籍されました。このように、USSプロビデンスはアメリカ海軍の中での長い歴史を持ちながら、数々の重要な任務を遂行した艦艇として記憶されているのです。

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