プロロジウムテクノロジー

プロロジウムテクノロジー（ProLogium Technology Co., Ltd.、輝能科技股份有限公司、略称: PLG）は、台湾に拠点を置く全固体電池メーカーです。同社は、従来の液体電解質を使用するリチウムイオン電池とは異なり、固体電解質を用いた全固体電池の開発・製造に特化しています。

技術概要

プロロジウムテクノロジーは、フレキシブルプリント基板（FPC）の技術を応用した独自の全固体リチウム電池を開発しています。同社の製品は、その形状や構造によって以下の3種類に分類されます。

FPC Li-Ceramic Battery (FLCB): シート状のバイポーラ型全固体リチウム電池で、液体電解質の代わりにセラミックを中心とした素材を使用しています。従来の電池と比較して、充電に時間がかかり、重量が重く、コストが高いというデメリットがありますが、液漏れによる発火の危険性がなく、柔軟性があり、薄型（0.38mm）であるため、デザインの自由度が高いというメリットがあります。また、シートをハサミで切っても電池として機能するという特徴も持ちます。
Pouch型LCB (PLCB): アルミ箔で包装されたポーチ型の全固体リチウム電池です。
リチウム金属を陰極材としたLCB (ELCB): リチウム金属を陰極材に用いた全固体リチウム電池です。

FLCBは、年間の自然放電が約10%程度で、充電電圧は2.4V～4.2Vですが、6～30Vの電圧をかけても発火しない安全性を誇ります。充電回数は500回から800回程度とされています。

沿革

プロロジウムテクノロジーは、2006年10月3日に鴻海精密工業出身の楊思枏（Vincent Yang）によって台北市北投区に設立されました。設立以降、同社は全固体電池の研究開発に注力し、数々の革新的な製品を世に送り出してきました。

2013年10月14日: HTCが、FLCBを内蔵した5.9インチのAndroid端末「HTC ONE Max」を発表しました。この端末のバッテリー容量は1200mAhでした。
2014年6月2日: COMPUTEX TAIPEI 2014にて、「創新設計賞」および「最優秀商品賞」を受賞しました。
2014年11月: 蓄電容量の高いポーチ型リチウムセラミックバッテリーの開発に成功しました。
2015年6月: COMPUTEX TAIPEI 2015にて、「最高産品賞 best choice award」を受賞しました。
2015年9月17日: 元社員による特許侵害問題が発生しましたが、後に元社員が罪を認めました。
2016年2月1日: 全固体リチウム電池の世界展開を本格化させるため、ロール・ツー・ロール方式を導入しました。
2016年5月: SBCVCから3回目の増資を受けました。
2016年6月: COMPUTEX TAIPEI 2016にて、「イノベーション賞 d&i award」を受賞しました。
2016年12月21日: BiPolar+ CellがCES 2017イノベーションアワード「Honoree」を受賞しました。
2017年7月20日: ソフトバンクコマース&サービスが、ネームタグ型セラミックバッテリーを商品化しました。バッテリー容量は700mAh、出力は0.4Aでした。
2017年10月30日: 威旺汽車（Weltmeister Motor Technology）と提携し、合弁会社で2018年からEV向けバッテリー製造を開始しました。
2017年12月22日: BiPolar+ Cellが再びCESイノベーションアワード「Honoree」を受賞しました。
2017年11月29日: ソフトバンクコマース&サービスがセラミックバッテリー「INVOL Ceramic Battery Flip」を発売しました。バッテリー容量は1500mAhでした。

応用分野

プロロジウムテクノロジーの全固体電池は、その安全性と柔軟性から、様々な分野での応用が期待されています。スマートフォンやウェアラブルデバイスなどの小型電子機器から、電気自動車やエネルギー貯蔵システムなどの大型用途まで、幅広い分野で活用が進むと予想されます。

関連項目

フレキシブルプリント基板
リチウム電池

外部リンク

* ProLogium Technology

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