プロヴィデンスガンダム

プロヴィデンスガンダム (PROVIDENCE GUNDAM)

プロヴィデンスガンダムは、2002年から2003年に放送されたテレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』に登場する架空のモビルスーツ。コズミック・イラの時代を舞台に、プラントの軍事組織「ザフト」によって開発された試作機であり、シリーズの中でも核動力を使用する希少な機体です。これにより、同じく核動力を使用するフリーダムガンダムやジャスティスガンダムと兄弟機として位置づけられます。

このモビルスーツは、多方向からの攻撃を可能にする「ドラグーン」という遠隔操作兵器を多数装備しており、『SEED』の終盤ではザフトの指揮官ラウ・ル・クルーゼが搭乗し、主人公キラ・ヤマトのフリーダムと壮絶な戦闘を繰り広げます。名前の「プロヴィデンス」は英語で「神の意志」や「摂理」を意味し、同機が持つ特異な存在感にふさわしい名付けと言えるでしょう。

デザイン・設定

プロヴィデンスガンダムのメカニックデザインは、大河原邦男によって担当されました。当初のデザインは早期に完成していましたが、登場がシリーズ後半となったため、プラモデルのリリースが難しかったという経緯があります。また、すでに登場していた悪役ガンダムを上回るインパクトを出すために、ファンネルに似たドラグーンの要素が取り入れられました。

プロヴィデンスは他のZGMF-Xシリーズ機体と同様に、核エンジンやフェイズシフト装甲（PS装甲）、マルチロックオンシステムなどを標準装備しています。運用はプラントの最前線を想定されて設計されており、当初は近接格闘機としての機能が重視されていましたが、ラウ・ル・クルーゼの搭乗によって高い空間認識能力を活かした遠距離戦を意図した設計に変更されました。

武装

プロヴィデンスガンダムの武器は多彩です。

• - MMI-GAU2 ピクウス 76mm近接防御用機関砲：頭部と肩部に装備された実弾砲で、敵機に対して効果的な防御を行えます。
• - MA-M221 ユーディキウム・ビームライフル：高出力のビームライフルで、フリーダムやジャスティスを上回る性能があります。
• - MA-V05A 複合兵装防盾システム：左腕に内蔵された防盾で、ビームサーベルとビーム砲を備えており、攻防が一体となった武器です。
• - ドラグーン・システム：背部や腰部に搭載されるオールレンジ攻撃を可能にする主力兵装で、複数のビーム砲端末を使用して戦闘を行います。

劇中での活躍

プロヴィデンスガンダムは第48話に登場し、地球連合軍に対抗するための戦闘に投入されます。特にその戦術は、ドラグーン・システムを利用した有機的な連携を基にしており、多数の敵機を撃破しました。第50話ではキラ・ヤマトのフリーダムと激しい戦闘を繰り広げ、最終的に大規模な核爆発を引き起こす壮絶な結末を迎えます。

派生機

プロヴィデンスガンダムの後継機として、ニクスプロヴィデンスガンダムやレジェンドガンダムが開発されました。

• - ニクスプロヴィデンスガンダム：ライブラリアンによって再設計され、ドラグーンの運用効率が改善されています。
• - レジェンドガンダム：プロヴィデンスの発展機で、最新の核動力や技術が採用され、強化された性能を持っています。

これらの機体もプロヴィデンスガンダムの影響を色濃く受けており、ガンダムシリーズ全体において重要な位置を占めています。

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