プンナ教誡経

プンナ教誡経（プンナきょうかいきょう）

プンナ教誡経（Puṇṇovāda-sutta）は、パーリ経典の中部経蔵に含まれる第145経であり、『教富楼那経』とも呼ばれています。この経典は、釈迦が比丘プンナに対して教えを説く様子を描写しています。プンナ教誡経は、同じく漢訳された経典に『満願子経』などがあり、この経典もまた仏教の重要な教えを含んでいます。

登場人物

• - 釈迦：仏教の創始者であり、教えを説く主役。
• - プンナ（富楼那）：比丘であり、釈迦に教えを求めた人物。

内容の概要

ある日、釈迦はサーヴァッティーのアナータピンディカ園に滞在していました。その際、比丘のプンナが訪れ、どうすれば人里離れた場所で精進できるかを尋ねます。その問いに対して、釈迦は六処の制御についての教えを授けます。六処とは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、心の感覚を指し、これらの感覚からの刺激がどう心理的な反応を引き起こすかに関する教えです。

釈迦がプンナに次の赴く場所を尋ねると、彼が粗暴者が多いスナーパランタであると答えます。この時、釈迦はもしその地の人々から侮辱されたり、暴力を振るわれたり、最終的には命を奪われるようなことがあった場合、プンナがどのように対処するかを質問します。プンナはすべてのケースに対して冷静で前向きな考えを示し、釈迦はその克己の精神を称賛します。

その後、プンナはスナーパランタに赴き、多くの人々を仏道に導く活動を行います。そして、三明を得て阿羅漢（完全無欠な存在）となります。最終的には入滅（般涅槃）します。この時、その土地の比丘たちが釈迦の元を訪れ、プンナの転生先を尋ねます。釈迦は、プンナが解脱し、涅槃に達したことを伝えると、比丘たちはその知らせに喜びます。

出典情報

プンナ教誡経は、いくつかの日本語訳が存在し、以下にいくつかを挙げます：

• - 『南伝大蔵経・経蔵・中部経典4』（第11巻下）、大蔵出版
• - 『パーリ仏典 中部（マッジマニカーヤ）後分五十経篇II』、片山一良訳、大蔵出版
• - 『原始仏典 中部経典4』（第7巻）、中村元監修、春秋社

この教えは、感覚からくる喜びや苦しみのメカニズムを理解する手助けとなるでしょう。仏教徒にとって、プンナ教誡経は重要な教えが詰まった経典であり、修行の道と心のあり方を考える上での指針となります。

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