プーマ装甲歩兵戦闘車

プーマ装甲歩兵戦闘車

プーマ装甲歩兵戦闘車（Schützenpanzer Puma）は、ドイツのPSM社が開発した最新鋭の歩兵戦闘車です。ドイツ連邦軍のマルダー歩兵[[戦闘車]]の後継として、2010年から2020年にかけて410両が配備される予定でした。しかし、開発と配備には様々な課題がありました。

開発と配備の経緯

初期の調達では、5両のプレシリーズ車両と関連サービスに3億5,000万ユーロ、405両の量産車両に30億ユーロが予定されていました。しかし、ドイツ軍の要求による機能追加や製造コストの上昇により、29億ユーロの追加予算が必要となりました。2022年12月には、演習中に全ての車両に不具合が発生したため、新規調達が中止されました。これにより、北大西洋条約機構軍への配備は旧式のマルダー歩兵[[戦闘車]]で代替されることとなりました。

しかし、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を契機に、安全保障情勢が急速に変化しました。ウクライナへの装甲戦闘車両の供与による自国戦力低下の補填や、軍備再建の必要性が高まりました。その結果、2023年4月には143両のプーマの近代化改修契約が7.7億ユーロで締結されました。この改修により、高解像度の昼夜対応カメラシステム、MELLS多目的ミサイルシステム、デジタル無線機器などの近代化が施され、2029年までにすべてのプーマが最新仕様となる予定です。

輸出の売り込みも行われていますが、成功には至っていません。一方、ラインメタル社はプーマよりもコストを抑え、信頼性と汎用性を高めたリンクス歩兵戦闘車を独自に開発・販売しています。クラウス=マッファイ社も、最大45トンまで重装化可能なボクサー装軌型を開発しています。

特徴

火力

プーマの砲塔は無人化されており、車長と砲手は車内から遠隔操作を行います。砲塔上には全周旋回可能な車長用光学サイトがあり、ハンターキラー能力を備えています。

主武装はMK30-2/ABM 82口径30mm機関砲で、毎分200発の発射速度と最大3,000mの有効射程を誇ります。使用弾種はAPFSDS-T（装弾筒付翼安定曳光徹甲弾）とKETF（空中破裂弾）が基本ですが、他の弾種も使用可能です。APFSDS-Tは主に中装甲車両、KETFは多目的に使用されます。機関砲弾は二重弾薬装填システムにより、2種類の弾種を連続交互に発射できます。砲塔内に即用弾200発、車体内に予備弾200発の計400発が搭載されています。

副武装として、機関砲と同軸にMG4 5.56mm軽機関銃が搭載されています。弾薬は即用弾1,000発、予備弾1,000発の計2,000発です。また、既存のインターフェースを利用して遠隔操作式の擲弾発射機や誘導ミサイルシステムも搭載可能です。プレシリーズ車両には、近接防御用の遠隔操作式6連装76mm擲弾発射装置が搭載されており、車体後部には近接観測用の小型カメラが埋め込まれています。

防護力

プーマには2種類の防護レベルがあります。防護レベルAは空輸可能な31.45tで、防護レベルCはモジュラー式の増加装甲を装着した41tの戦闘レベルです。防護レベルCでは、第2世代主力[[戦車]]のレオパルト1を上回る重量となり、鉄道、道路、海運での輸送が必要です。

機動力

防護レベルC時に41tに増加するプーマには、1,088psの最大出力を発揮するMTU社製のV型10気筒ディーゼルエンジンが搭載されています。また、170kwのフライホイール発電機も搭載されています。防護レベルA時には、A400M輸送機による空輸が可能です。

人員配置

車体前部右側には操縦手席があり、その左斜め後方に砲手席、砲手席の右側に車長席があります。砲手席の後方には砲塔、その後に兵員席が2つ、車長席の後方に兵員席が4つあります。兵員席は左右向かい合わせに配置されています。

比較

プーマは、マルダー歩兵[[戦闘車]]の後継として開発され、火力、防護力、機動力の全てにおいて大幅な性能向上が図られています。しかし、開発コストの高騰や配備後の不具合など、課題も多く残っています。今後の近代化改修によって、これらの問題が解決されることが期待されます。

登場作品

ゲーム

Project Reality (BF2)：ドイツ連邦軍の装甲戦闘車両として、ATGM搭載型と非搭載型の2種が登場します。暗視装置、スモークランチャー、30mm機関砲、対戦車ミサイル、同軸機銃を装備しています。
War Thunder：アップデート "Wind of Change"で追加されました。30mm機関砲と5.56mm機関銃を装備し、改造によってナイトビジョンやレンジファインダーも搭載可能です。

脚注

[注釈]

[出典]

関連項目

歩兵戦闘車
マルダー歩兵[[戦闘車]]

外部リンク

PSM Projekt System & Management GmbH
Krauss-Maffei Wegmann
Rheinmetall-DeTec AG
Deutsches Heer - Schützenpanzer Puma
Army Technology - Puma Tracked Infantry Fighting Vehicle
Rommelkiste.de - Der neue Schützenpanzer der Bundeswehr Puma

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