ヘッドレス・クロス

ブラック・サバスの14作目のスタジオ・アルバム『ヘッドレス・クロス』は、1989年にI.R.S.レコードからリリースされました。このアルバムは、バンドにとって新たな時代を告げる作品であり、コージー・パウエルの加入がサウンドに大きな変化をもたらしました。

本作のレコーディングには、ローレンス・コットルがベースで参加し、タイトル曲のミュージック・ビデオにも出演しましたが、ツアーではニール・マーレイがベースを担当し、その後正式メンバーとなりました。また、「ホエン・デス・コールズ」では、クイーンのブライアン・メイが印象的なギターソロを披露しており、その豪華なゲスト参加も話題となりました。

『ヘッドレス・クロス』は、ブラック・サバスにとって7年ぶりに全英シングルチャートにランクインした作品でもあります。タイトル曲「ヘッドレス・クロス」は62位に達し、B面には「Cloak and Dagger」が収録されました。この「Cloak and Dagger」は、イギリス盤ピクチャー・ディスクのA面ラストにも収録されています。

音楽評論家のEduardo Rivadaviaは、AllMusicにおいて本作を高く評価し、「オジー・オズボーンやロニー・ジェイムス・ディオ時代の主要作以外の作品も認める聡明な方なら、『ヘッドレス・クロス』または価値のある前作『エターナル・アイドル』から入っていくべきだ」と述べています。

アルバム収録曲は以下の通りです。

1. ザ・ゲイツ・オブ・ヘル - "The Gates of Hell"
2. ヘッドレス・クロス - "Headless Cross"
3. デヴィル・エンド・ドーター - "Devil & Daughter"
4. ホエン・デス・コールズ - "When Death Calls"
5. キル・イン・ザ・スピリット・ワールド - "Kill in the Spirit World"
6. コール・オブ・ザ・ワイルド - "Call of the Wild"
7. ブラック・ムーン - "Black Moon"
8. ナイトウイング - "Nightwing"

参加ミュージシャンは以下の通りです。

トニー・アイオミ - ギター
トニー・マーティン - ボーカル
ローレンス・コットル - ベース (レコーディング)
ニール・マーレイ - ベース (ツアー)
コージー・パウエル - ドラムス
ジェフ・ニコルス - キーボード
* ブライアン・メイ - ギター・ソロ (on "When Death Calls")

『ヘッドレス・クロス』は、ブラック・サバスの新たな魅力を引き出した作品として、ファンにとって重要なアルバムの一つです。コージー・パウエルのパワフルなドラム、トニー・マーティンの表現力豊かなボーカル、そしてトニー・アイオミの重厚なギターが融合し、独特の世界観を創り上げています。ブライアン・メイの参加も、このアルバムに華を添えています。

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