ニール・マーレイ

ニール・マーレイ（Neil Murray）は、1950年 8月27日生まれ、スコットランド出身のミュージシャンです。ベーシスト、そして作曲家として、長きにわたり音楽シーンで活躍しています。

デビューから初期の活動

1968年、学生時代にブルースバンド「Slapp Happy And The Dum-Dums」で音楽活動をスタートさせました。1973年には、カンタベリー・ロックの代表的なミュージシャンであるアラン・ゴーウェンに招かれ、ギルガメッシュでの活動を通じてレコーディングキャリアを本格的に開始します。

1974年には、クライヴ・チャーマンの推薦により、後にボブ・マーリー・アンド・ザ・ウェイラーズのギタリストとなるジュニア・マーヴィン（ジュニア・ハンソン）のアメリカツアーに参加し、レコーディングにも携わります。チャーマンはさらにコージー・パウエルにマーレイを推薦し、バーニー・マースデン、ドン・エイリーと共にコージー・パウエルズ・ハマーの活動を始めました。しかし、1975年にパウエルのレインボー加入によりバンドは解散。1976年にはコロシアムIIに参加しアルバムをリリースしましたが、その後解雇されています。その後、再びゴーウェンのグループ、ナショナル・ヘルスに加わり録音活動を行い、1977年には同じバンドのドラマーであったビル・ブルーフォードのグループにも参加しました。

ホワイトスネイクでの活躍

1977年、バーニー・マースデンの推薦で、デイヴィッド・カヴァデールのホワイトスネイクに加入し、バンド在籍中に数々のスタジオアルバムやライブアルバムをリリースし、その名声を確立しました。マーレイはドラマーのサイモン・フィリップスと共に様々なセッションにも参加。1981年には、スティング、ジェフ・ベック、エリック・クラプトンらが参加したシークレット・ポリスマンズ・アンド・アザー・ボールにも参加しています。また、映画「クロスロード」のベース演奏もマーレイが担当していますが、クレジットには記載されていません。

1982年、ホワイトスネイクはカヴァデールの都合により活動を休止。マーレイはソロ活動を始めたゲイリー・ムーアのバンドにイアン・ペイスと共に契約し、ワールドツアーに参加しました。しかし、1983年にレコーディング中にムーアのグループを解雇されてしまいます。その後、タイガース・オブ・パンタンを脱退したジョン・サイクス、ユーライア・ヒープを脱退したジョン・スローマンと共にバッドランズを結成しますが、レコード会社との契約に至らず解散。1983年12月にはコリン・ホッジキンソンの後任としてホワイトスネイクに復帰を果たします。ジョン・サイクス、コージー・パウエルと共にツアーを行いアルバム『白蛇の紋章〜サーペンス・アルバス』を制作後、1986年8月に再びグループを離れることになります。

VOW WOWへの参加

1987年5月には、渡英したVOW WOWに加入し、同年に発表されたアルバム『V』と1988年発表のアルバム『VIBe』に参加。演奏だけでなく、いくつかの楽曲では作詞も担当しました。イギリス、ヨーロッパ、日本での公演後、1989年3月にVOW WOWとの契約を終えています。

ブラック・サバスでの活動

1989年5月には、ブラック・サバスのライブツアーに参加し、正式なメンバーとしてアルバム『ティール』を録音します。1992年にブラック・サバスのメンバーがアルバム『ヘヴン&ヘル』時代のラインナップに入れ替えられたため、マーレイはコージー・パウエルとともにクイーンのブライアン・メイのソロプロジェクトに参加しています。その後、1994年にはブラック・サバスのレコーディングに参加し、アルバム『フォービドゥン』をリリースしました。

その後の活動

ブラック・サバス脱退後は、バンドのメンバーとして参加しながら、セッションプレイヤーやオーディション担当として様々なミュージシャンの育成にも携わるようになりました。ピーター・グリーン・スプリンター・グループをはじめ、ホワイトスネイク時代の仲間であるバーニー・マースデン、ミッキー・ムーディとは、カンパニー・オブ・スネイクス、M3と名前を変えながらも現在に至るまで活動を共にしています。最近では、ミュージカル「ウィ・ウィル・ロック・ユー」にも参加しました。2010年 1月には、マイケル・シェンカー・グループの30周年記念ツアーのメンバーとして来日しています。