ヘッドレス・チルドレン

W.A.S.P.の4thスタジオ・アルバム『ヘッドレス・チルドレン』（原題：The Headless Children）は、1989年に発表されました。

本作は、W.A.S.P.が音楽的な方向性を大きく転換した作品として知られています。それまでの過激で下品なヘヴィメタル路線から一転し、よりシリアスで内省的なテーマを扱った楽曲が多く収録されています。音楽評論家のGreg Pratoは、allmusic.comにおいて「長年のファンが初期の作品の下品なヘヴィメタル路線を好むとしても、本作はW.A.S.P.の作品としては最も完成されている」と評しています。

アルバムには、ザ・フーのアルバム『四重人格』（1973年）収録曲のカバー「リアル・ミー」も収録されています。W.A.S.P.は、このカバーを通じて、自らの音楽的なルーツを再確認するとともに、新たなファン層を開拓しました。

『ヘッドレス・チルドレン』は、W.A.S.P.にとって商業的な成功も収めた作品です。イギリスでは、バンドにとって初の全英アルバムチャートにおけるトップ10入りを果たし、本国アメリカでは、セカンド・アルバム『ラスト・コマンド』（1985年）以来となる全米トップ50入りを果たしました。

本作は、ギタリストのクリス・ホルムズが一度脱退する前に参加した最後のアルバムとしても知られています（後に復帰）。

1998年に発売された再発CDには、シングルのカップリング曲や1989年のライブ音源がボーナス・トラックとして追加収録されています。ジェスロ・タルのアルバム『アクアラング』（1971年）収録曲のカバー「ロコモーティヴ・ブレス」も収録されています。

収録曲

1. ヘレティック - The Heretic (The Lost Child)
2. リアル・ミー - The Real Me
3. ヘッドレス・チルドレン - The Headless Children
4. サンダーヘッド - Thunderhead
5. ミーン・マン - Mean Man
6. ニュートロン・ボマー - The Neutron Bomber
7. メフィスト・ワルツ - Mephisto Waltz
8. フォエヴァー・フリー - Forever Free
9. マンイーター - Maneater
10. レベル・イン・ザ・F.D.G. - Rebel in the F.D.G.

1998年再発盤ボーナス・トラック

11. ロコモーティヴ・ブレス - Locomotive Breath
12. フォー・フーム・ザ・ベル・トールズ - For Whom the Bell Tolls
13. レイク・オブ・フールズ - Lake of Fools
14. ウォー・クライ - War Cry
15. ラヴ・マシーン（ライヴ） - L.O.V.E. Machine (Live)
16. ブラインド・イン・テキサス（ライヴ） - Blind In Texas (Live)

参加ミュージシャン

ブラッキー・ローレス - ボーカル、ギター
クリス・ホルムズ - ギター
ジョニー・ロッド - ベース
フランキー・バネリ - ドラムス

ゲスト・ミュージシャン

* ケン・ヘンズレー - キーボード

また、4曲目には多数のバッキングボーカルが参加している。

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