ヘリテージ・オイル

ヘリテージ・オイル社：リスクを冒す石油開発企業

ヘリテージ・オイル社は、1992年にカナダのカルガリーで創業したイギリスの石油会社です。本社はイギリス本島ではなく、ジャージー島にあります。同社は、油田・ガス田の探査、開発、生産を主な事業としています。

創業者の異色の経歴

ヘリテージ・オイル社の創業者でありCEOであるトニー・バッキンガムは、元イギリス軍人です。彼のビジネスパートナーであるサイモン・マンも、元イギリス軍特殊部隊出身であり、アンゴラ内戦やシエラレオネ内戦で活動した民間軍事会社エグゼクティブ・アウトカムズ社の共同経営者でした。

このような経歴を持つ彼らは、国際石油資本がリスクを理由に手を出せないほど治安が悪い国や地域に進出しました。独自の軍事ノウハウやネットワークを駆使して安全を確保し、石油開発を進めることを可能にしたのです。

ウガンダでの成功

ヘリテージ・オイル社は、長らく政治的混乱や地域紛争が続いていたウガンダで、1997年に油田探査の許可を取得しました。これにより、未開発状態であったウガンダの地下資源開発の先駆けとなりました。

その後、隣国のコンゴ民主共和国との隣接地であるアルバート湖北岸地帯でも探査を開始し、2006年に油田の存在を確認しました。しかし、2007年にはコンゴ政府軍とヘリテージ社の警備担当者が交戦状態となり、両国軍が出動する事態となりました。

2008年には、サブサハラアフリカ地域では過去20年間で最大規模となる、陸上油田バッファロー・ジラフ油田を発見しました。

ロンドン証券取引所への上場と買収

ウガンダなどの鉱区での成功により、ヘリテージ・オイル社は2008年にロンドン証券取引所に上場を果たしました。しかし、2014年6月にはカタールの政府系ファンドによって買収されています。

ヘリテージ・オイル社の活動は、カントリーリスクの高い地域での資源開発の可能性を示す事例として注目されています。

関連項目

* カントリーリスク

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