サイモン・マン

サイモン・フランシス・マン

サイモン・フランシス・マン（Simon Francis Mann, 1952年6月26日 - ）は、イギリス出身の傭兵であり、元イギリス陸軍軍人です。

経歴

マンは、オールダーショットの裕福な家庭に生まれました。彼の父親は、クリケットイングランド代表のジョージ・マンです。名門イートン校を卒業後、サンドハースト王立陸軍士官学校に進学しました。卒業後はスコッツガーズに配属されますが、特殊空挺部隊SASへの参加を志願し、キプロス、北アイルランド、ドイツ、ノルウェーなどで任務に従事しました。1985年に軍を退役し、予備役として湾岸戦争にも関与しています。

軍退役後、マンはコンピューターセキュリティ業界に進みましたが、その後、ヘリテージ・オイル社の社長であるトニー・バッキンガムの下で油田開発事業に携わることになります。アンゴラ解放人民運動政権下のアンゴラで、アンゴラ全面独立民族同盟に奪われていた油田を奪還するため、民間軍事会社「エグゼクティブ・アウトカムズ」を派遣しました。

起業

その後、マンは友人の軍士官ティム・スパイサーと共に、民間軍事会社「サンドライン・インターナショナル」を設立しました。サンドライン・インターナショナルは、シエラレオネの内戦に関与した他、パプアニューギニア政府に雇われ、ブーゲンビル島で反乱を起こしたブーゲンビル革命軍を鎮圧する契約を結びました。しかし、この計画が発覚したことにより、軍部がクーデターを起こし、スパイサーらが拘束されるという事態（サンドライン事件）が発生しました。

クーデター未遂事件

1997年、マンは引退し、南アフリカ共和国へ移住しました。彼の家の近所には、スペンサー伯爵やマーク・サッチャー（マーガレット・サッチャーの息子）などのイギリス上流階級の邸宅が立ち並んでいました。

2004年、マンはジンバブエで傭兵仲間のニック・ドゥトワらと、赤道ギニアのクーデターを計画しました。この計画を持ちかけたのは、南アフリカのケープタウンに在住していたマーク・サッチャーやイーライ・カリルらイギリスの財界人であり、テオドロ・オビアン・ンゲマを失脚させ、セヴェロ・モトによる新政権を樹立させることを目指していました。

マンは、自身の会社ロゴ・ロジスティック社名義で登録したボーイング727を用意し、64人の作戦要員と共に赤道ギニアに入国し、赤道ギニアで武器を調達していたドゥトワら15人と合流し、クーデターを決行する計画でした。しかし、南アフリカから情報がリークされ、ジンバブエのハラレ空港に到着したところ、治安部隊に包囲され、クーデター容疑で逮捕されました。また、このリークにはフランス諜報部が関わっていると言われています。

マンは法廷にて34年の刑を受けましたが、2009年に恩赦により釈放されました。マーク・サッチャーが資金援助に加わったとされています。

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