ヘンダーソン・バーンサイド

ヘンダーソン・バーンサイド（Henderson Burnside、1843年 - 1903年）は、英国聖公会宣教協会(CMS)の宣教師として知られています。彼は中国の寧波での伝道活動を経て来日し、長崎を中心に日本の開拓伝道に尽力しました。特に、日本人向けのイングランド国教会最初の教会建設に大きく貢献した人物です。

生涯と業績

1843年、バーンサイドはイギリスのブラックヒースで生まれました。彼はロンドンのイズリントンにあるチャーチ・ミッショナリー神学校「C.M.カレッジ（Church Missionary College）」を卒業後、宣教師としての道を歩み始めます。

中国・寧波での伝道活動を経て、1870年（明治3年）1月1日、バーンサイドはジョージ・エンソルに次いで、日本で2番目のCMS宣教師として長崎に到着しました。1872年（明治5年）にエンソルがイギリスに帰国すると、その後任として職務を引き継ぎ、日本最初のプロテスタント教会である「英国聖公会会堂」で、チャニング・ウィリアムズ（初代）、グイド・フルベッキ（2代目）、エンソル（3代目）に次ぐ4代目チャプレンを務めました。

1873年（明治6年）には、同じくCMSのウォルター・デニングが長崎に来日し、キリスト教徒である二川一騰に日本語を学びました。バーンサイドは「聖書研究会」を開き、日本人参加者が集まるようになります。これは、1867年（慶応3年）の浦上四番崩れでキリスト教への迫害が国際的な非難を浴びた後、幕府がキリスト教に対して寛容な態度を示すようになったこと、そして流罪となっていた浦上のキリシタンたちが長崎に戻ってきたことが背景にありました。

1874年（明治7年）初頭、バーンサイドは英語と聖書クラスの設立を長崎県知事に申請しましたが、許可は得られませんでした。しかし、彼は東山手居留地のCMS拠点の一角に無料学校を開設し、男子学生を教えました。

バーンサイドの最大の功績の一つは、日本のイングランド国教会の改宗者のための最初の教会建設に尽力したことです。彼は長崎の信徒のために教会堂建築を計画しましたが、当時の長崎市街地では講義所のための借家も困難な状況でした。そのため、外国人居留地である出島の中で、市街に出入りする橋のたもとに土地を確保しました。この土地に小さな会堂の建築に着手しましたが、バーンサイドは病に倒れ、完成を見ることなく1875年（明治8年）4月17日にイギリスへ帰国することとなりました。

その後、大阪のエビントン師が一時的に長崎に滞在し、1875年（明治8年）7月11日、日本で最初のCMS教会である「長崎出島教会」（日本人信徒のための聖公会最初の教会）の献堂式が行われました。バーンサイドの後任者であるハーバート・モーンドレルも献堂式の数日前にイギリスから着任し、この喜びを分かち合いました。

イギリスに帰国後、バーンサイドは長く牧会に従事し、1903年（明治36年）に生涯を閉じました。

家族

バーンサイドの娘であるクララ・ロウ・バーンサイドは、長崎で生まれました。彼女は父の遺志を継ぎ、女性宣教師として来日し、1897年（明治31年）から九州教区の長崎、福岡、小倉などで伝道活動に従事しました。

ヘンダーソン・バーンサイドの日本における伝道活動は、日本のキリスト教史において重要な一頁を刻んでいます。彼の尽力は、今日の日本の聖公会の発展に大きく貢献していると言えるでしょう。

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