ヘンリク3世 (グウォグフ公)

ヘンリク3世の生涯と業績

ヘンリク3世（Henryk III głogowski, 1251年または1260年 - 1309年12月3日）は、グウォグフ公（1274年 - 1309年）およびヴィエルコポルスカの一部地域を治めた公（1306年 - 1309年）です。彼はグウォグフ公コンラト1世の長男であり、母親のサロメアはヴィエルコポルスカ公ヴワディスワフ・オドニツの娘です。彼の幼少期については詳細がほとんど伝わっていないものの、1267年に祖母の列聖式に参加していたことが記録されています。

幼少期と若年期の混乱

1274年に父が死去した時、ヘンリク3世はまだ幼少であり、正式な権力を得るのは時間を要しました。1277年、彼は初めて政治の舞台に立ち、母方の従兄であるヴィエルコポルスカ公プシェミスウ2世と共に軍事遠征を行いました。この遠征は、父方の伯父であるレグニツァ公ボレスワフ2世が高潔公ヘンリク4世を捕縛したことに端を発しますが、盟軍はストレツの戦いで敗北しました。この戦いを通じて、ヘンリク3世はボレスワフ2世の息子ヘンリク5世との因縁の対決の始まりを知ることとなりました。

権力の獲得と戦争

1278年、ヘンリク3世は進軍し、ボヘミア王オタカル2世の敗北を見届けます。その後、彼は弟たちに領土を分割し、グウォグフやビトム・オジャンスキ、コジュフフを譲り受けました。教育に富むこれらの都市での統治は、後に彼の内政改革に影響を与えることになります。

1281年には、ヘンリク4世による主催の諸公会議で、ヘンリク3世は騎士叙任を受け、彼とヘンリク4世の関係は強化されます。しかし、1288年に両者の関係は大きく変わり、彼はヘンリク4世の死後にその領土の一部を相続することになります。

ヴィエルコポルスカを巡る争い

1296年、ヴィエルコポルスカ公プシェミスウ2世が暗殺された際、ヘンリク3世は自身の相続権を主張し、領土を巡る緊張が高まりました。彼はまた、ボヘミア王ヴァーツラフ2世との関係を強化し、様々な同盟を結ぶことで影響力を拡大していきました。特に、1299年にはヘンリク3世がヴィエルコポルスカに対する要求権を永久に放棄するこの条約が成されました。

内政と行政改革

ヘンリク3世は、戦争の影響を最小限に抑え、経済的に安定した公国を築くことに努めました。彼は自身の領地において10以上の都市を建設し、それらの都市を発展させました。教会に対しても有力な後援者であり、修道院や教区教会を多数設立しました。

死とその後

1309年、ヘンリク3世は死去し、彼の遺産は5人の息子たちに引き継がれました。しかし、この相続によりグウォグフ公国は生じた弱体化と地元貴族の反乱に直面し、最終的に再びヴワディスワフ1世の支配下に戻ることとなります。ヘンリク3世は多くの功績を残し、彼の統治はポーランド史に不可欠な章を形成しました。

子女

ヘンリク3世は1291年にメヒティルドと結婚し、9人の子供をもうけました。後の君主や貴族として、この子供たちは彼の血筋を引き継いでいくことになります。

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