ヘンリー4世 (イングランド王)

ヘンリー4世

基本情報
ヘンリー4世（英: Henry IV, 1366年4月3日 - 1413年3月20日）は、ランカスター朝の最初の国王で、1399年から1413年にかけてイングランドを支配しました。彼はエドワード3世の息子で、リンカンシャーのボリングブルック城で生まれました。彼の称号の一部である「ヘンリー・ボリングブルック」は、生まれた城に由来します。

生涯

即位前の動向

ヘンリーは1380年にヘレフォード伯の娘メアリーと結婚しましたが、彼女は1394年に亡くなり、王妃にはなりませんでした。リチャード2世との対立が続き、1388年の無慈悲議会ではリチャード2世の側近を追放する動きに参加しましたが、その後は父によって和解に導かれ、1390年から1392年にかけてドイツ騎士団の軍としてリトアニアに派遣されました。

リチャード2世の復讐による貴族の追放に対し、ヘンリーはヘレフォード公に叙されましたが、1398年に再び追放され、フランスに移ります。そして、1399年には父の死を契機に王位を奪回する機会を得ました。リチャードがアイルランドに出発した際、ヘンリーはイングランドに戻り、リチャードを捕らえ、王位に就くことになります。

治世の初期と反乱

ヘンリー4世の治世は反乱によって揺れ動きました。1400年には、元エクセター公らが彼の暗殺を計画して捕まり処刑されます。この年、ウェールズのオワイン・グリンドゥールが反乱を起こし、以降15年間にわたる戦争が展開されます。また、スコットランド貴族のダグラス伯も北イングランドを荒らし、恐れられました。ヘンリーは1403年のシュルーズベリーの戦いでダグラス伯を捕虜にし、勝利を収めましたが、その後も反乱は収束せず、多くの苦境を迎えました。

特に、ノーサンバランド伯との関係が悪化し、彼らは再び反乱を起こしましたが、王太子の働きによってこれらは鎮圧されました。グリンドゥールの反乱も王太子の軍に敗れ、ようやく安定を見せるようになります。

フランス、スコットランドへの対応

治世が進むにつれ、ヘンリー4世は体調を崩しがちになり、王太子に政務を委譲することが多くなります。特に、1412年には外交問題で父子間に緊張が生じました。王太子はフランス北部への軍事介入を主張し、一時的に対立しましたが、最終的には和解に至ります。

1403年には、ナバラ王の娘ジャンヌ・ド・ナヴァールとの再婚を模索し、ブルターニュに介入を試みましたが、ブルターニュ貴族の策略によって計画は挫折しました。また、スコットランド王子を捕らえたり、王位継承の不安要素を取り除く動きも見られました。

死去

1413年3月20日、ヘンリー4世は感染症により崩御しました。没する際、彼はウェストミンスター寺院の礼拝堂で祈っていたとされ、最期の瞬間は静かでした。彼の遺言によりカンタベリー大聖堂に葬られ、息子がその後を継ぎます。

子女

ヘンリー4世は最初の妻メアリーとの間に多くの子供を儲けました。エドワード、ヘンリー5世、トマス、ジョン、ハンフリーの五男および二女がいます。再婚した際の妻とは子供がいなかったものの、彼の子孫は後の英王朝に大きな影響を与えました。

彼の治世は混乱と戦争に満ちていましたが、最終的にはイングランドへの影響を与える基盤を築いたと言えるでしょう。

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