ベイミドルトン

ベイミドルトン：19世紀を席巻した名馬とその伝説

ベイミドルトン(1833-1857)は、19世紀イギリス競馬史にその名を刻んだ伝説的な競走馬です。類まれな強さと気性で知られ、競走馬としての活躍だけでなく、種牡馬としても大きな成功を収めました。

驚異的な競走成績

ベイミドルトンは、2000ギニーとエプソムダービーという当時最高のクラシック競走を制覇しました。さらに、全ての6戦で勝利するという驚異的な戦績を残しています。特にエプソムダービーでは、その圧倒的な強さで勝利を収めました。セントレジャーステークスの優勝馬エリスを2度破るなど、同世代最強馬として君臨しました。もしセントレジャーステークスに出走していれば、三冠馬となる可能性も十分にあったと言われています。しかし、当時は三冠という概念がまだ確立されていなかったため、彼はセントレジャーステークスには出走しませんでした。4歳シーズンはアスコットゴールドカップを目指しましたが、結局不出走のまま引退することになりました。

種牡馬としての成功

[引退]]後は種牡馬となり、その血統はイギリス競馬界に多大な影響を与えました。ザフライングダッチマン、アンドーヴァーといったエプソムダービー優勝馬をはじめ、ザハーミット]、アフラダイティ(1000ギニー優勝)など数々のクラシックホースを輩出しました。その優れた繁殖能力から、[[1844年と1849年にはイギリスチャンピオンサイアーに輝き、名実ともにイギリスを代表する種牡馬となりました。晩年はベンティンク卿の死後、エドワード・モスティンのデインベリースタッドで10年間を過ごしました。

個性的なエピソード

ベイミドルトンの主戦騎手は、名手ジェム・ロビンソンでした。気性が荒く、誰も乗りこなすことができなかったベイミドルトンに、ロビンソンが騎乗することになったエピソードは有名です。ロビンソンはベイミドルトンを見て「神に感謝する、私が夢にまで見た馬だ」と語ったと伝えられています。

当初は「ブラザートゥーネルグウィン」という名前で競走に出走していましたが、2000ギニーでの圧勝の後、ジャージー卿によって、自身の所有馬で1827年にエプソムダービーを制したミドルトンにちなんで「ベイミドルトン」と改名されました。「ベイ」は鹿毛を表しています。

現在、ベイミドルトンは長年過ごした馬屋の傍らに眠っています。その傍らには、名牝クルシフィックスも埋葬されています。

血統

ベイミドルトンの母コブウェブは、1000ギニーとオークスの優勝馬という、優れた血統を持つ名牝でした。コブウェブはベイミドルトンを含め、3頭のクラシックホースを産みました。

まとめ

ベイミドルトンは、卓越した競走能力と種牡馬としての成功によって、イギリス競馬史に不滅の足跡を残した名馬です。彼の活躍は、数多くの名馬を輩出した血統と、個性的なエピソードによって、現代においても語り継がれています。その生涯は、まさに伝説と言えるでしょう。

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