ベイ・シティ・ローラーズ (アルバム)

ベイ・シティ・ローラーズが1975年にアメリカ合衆国とカナダでリリースしたアルバムは、バンドにとって初の北米進出を飾る重要な作品となりました。このコンピレーション・アルバムは、本国イギリスでリリースされた最初の3枚のアルバムからの楽曲を中心に構成されており、北米のファンに向けて彼らの魅力を凝縮した内容となっています。

収録曲は、イギリスで発表されたアルバム『エジンバラの騎士』(Rollin') から5曲、『噂のベイ・シティ・ローラーズ』(Once Upon a Star) から4曲、『青春のアイドル』(Wouldn't You Like It?) から1曲が選ばれています。これらの楽曲は、ベイ・シティ・ローラーズの初期の音楽性を代表するものであり、彼らの特徴であるポップでキャッチーなメロディーと、親しみやすい歌詞が際立っています。また、アルバムには新録された楽曲も1曲収録されており、常に進化を続ける彼らの姿勢がうかがえます。

特に注目すべきは、アメリカ合衆国独自のストリングスを全面に出したミックスが施された「太陽の中の恋 (Summerlove Sensation)」です。このバージョンは、2000年にアメリカでリリースされた『Definitive Collection』（日本盤は『ベスト・オブ・ベイ・シティ・ローラーズ』）でCD化されるまで、長らく入手困難な音源でした。この特別なミックスは、楽曲の持つ甘く切ない雰囲気をより一層引き立て、ファンにとっては必聴の価値があります。

アルバムは、カナダの音楽雑誌『RPM』のアルバム・チャートで1976年2月7日付で首位を獲得し、アメリカ合衆国の『ビルボード』誌のアルバム・チャート Billboard 200 でも20位まで上昇するなど、商業的にも大きな成功を収めました。収録曲の「サタデー・ナイト (Saturday Night)」は、合衆国の Billboard Hot 100 でもカナダのシングル・チャートでも首位となり、ベイ・シティ・ローラーズの名前を世界に広めるきっかけとなりました。

トラックリスト
1. 恋をちょっぴり "Give a Little Love"
2. バイ・バイ・ベイビー "Bye, Bye, Baby"
3. ベイ・シティ・ローラーズのテーマ "Shang-a-Lang"
4. マリーナの微笑み "Marlina"
5. 恋のレッツ・ゴー "Let's Go (A Huggin' And A Kissin' In The Moonlight)"
6. ビー・マイ・ベイビー "Be My Baby"
7. 太陽の中の恋 "Summerlove Sensation"
8. 想い出に口づけ "Remember (Sha-La-La-La)"
9. サタデー・ナイト "Saturday Night"
10. ひとりぼっちの十代 "My Teenage Heart"
11. 朝まで踊ろう "Keep On Dancing"

パーソネル
エリック・フォークナー – ギター
アラン・ロングミュアー – ベース
デレク・ロングミュアー – ドラムス
レスリー・マッコーエン – リード・ボーカル
* スチュアート・ウッディ・ウッド – ギター

このアルバムは、ベイ・シティ・ローラーズの音楽的な魅力を余すところなく伝えるとともに、1970年代のポップカルチャーを象徴する作品として、今もなお多くのファンに愛され続けています。

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