ベジェツク

ベジェツクは、ロシアのトヴェリ州に位置する人口約2万人の都市です。州都トヴェリから北東へ約130km、ヤロスラヴリとボロゴエを結ぶ鉄道沿いに位置し、モロガ川とオストレチナ川の合流点にあります。

歴史

ベジェツクは1137年にノヴゴロド公国の記録に「ベジチ」として初めて登場します。「難民」を意味する地名から、ノヴゴロドからの避難民がこの地に移り住んだと考えられています。当初のベジチは、現在のベジェツクから北へ約20kmの場所にありました。ベジチはノヴゴロド公国の東部、モロガ川上流のベジェツキー・ヴェルフ地方の中心地でしたが、1272年に襲撃を受け破壊された後、住民は現在のゴロデツク・ベジェツカ要塞の場所に移転しました。

15世紀初頭、ベジェツキー・ヴェルフ地方はモスクワ大公国に併合されました。その後、ベジェツクは作家ヴャチェスラフ・シシコフ、歴史家ニル・ポポフ、病理学者アレクセイ・ポルニンなど、多くの人材を輩出しました。1766年まではゴロデツキーと呼ばれていましたが、この年にベジェツクに改名され、1775年に市制が施行されました。1876年には鉄道が開通し、19世紀後半には亜麻取引の中心地として栄えました。

文化

ベジェツクには、歴史的な建造物がいくつか残っています。最も古い建物は、町の守護聖人であるネクタリオス・ベジェツキムが創建したヴヴェデンスキー修道院の白い尖塔の鐘楼です。この鐘楼は、1680年から1682年にかけてヤロスヴリの職人によって建てられました。しかし、修道院自体はソビエト時代に解体されてしまいました。

その他にも、1670年の十字架挙栄聖堂、1772年の救世主顕栄聖堂、1775年のカザンの生神女聖堂など、興味深い聖堂建築が残っています。また、19世紀の商業建築、歴史博物館、文学博物館なども見どころです。

ベジェツクは、文書記録が良く保存されているため、18世紀ロシアの地方都市に関する詳細な学術研究の対象となっています。

経済

ベジェツクには、特殊車両工場などの大きな会社があり、その他に繊維工業や食品工業が立地しています。また、市の南5kmにはドロホヴォ空軍基地があります。

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