ベトナム航空815便墜落事故

ベトナム航空815便墜落事故の概要

事故の基本情報

ベトナム航空815便の墜落事故は、1997年9月3日に発生した悲劇的な航空事故で、66人の搭乗者が関与しました。この便は、ホーチミンのタンソンニャット国際空港を出発し、カンボジアのプノンペン国際空港に向かう予定でしたが、悪天候により着陸を試みた際に墜落しました。乗員・乗客のうち、65人が命を落とし、生き残ったのはただ1名の幼い男児でした。

機体の情報

• - 航空会社: ベトナム航空
• - 機種: Tu-134
• - 製作年: 1984年
• - 登録コード: VN-A120
• - 出発地: ホーチミン
• - 到着予定地: プノンペン
• - 搭乗者数: 66人（乗客60人、乗員6人）
• - 死亡数: 65人
• - 生存者: 1人

事故の詳細

事故は、ホーチミンからの出発直後、視界が急速に悪化する悪天候が発生した中で起こりました。着陸の二分前、機体を取り巻く雨は強くなり、パイロットたちは滑走路の視認を避けられなくなりました。副操縦士と機関士は機長に着陸を中止して復航するよう訴えましたが、機長はその意見を無視し、更に滑走路を探すように指示しました。

墜落の直前、副操縦士は「見えません！機長、やり直しましょう！」と叫びますが、その言葉は時既に遅く、滑走路手前のヤシの木に激突してしまいました。機長がようやく着陸復行を決めた時には、左翼を損失しており、操縦不能に陥り、結果的に田園地帯に墜落しました。

事故直後は5名の生存者が確認されましたが、最終的に命を繋いだのは1歳のタイ出身の男児だけでした。この事故は、2020年現在においてもカンボジア史上最悪の航空事故として記憶されています。

事故の原因

カンボジアの事故調査委員会は、この事故の主な原因を機長による副操縦士の意見の無視に求めました。機体や計器に異常は見られず、操縦士の健康状態も良好であったと報告されています。一方、ベトナム航空は、空港の設備が老朽化していたことや、管制官が誤った気象情報を提供したことが事故の要因だと主張しましたが、この意見は調査委員会により退けられました。

関連項目

• - ベトナム航空
• - Tu-134
• - 大韓航空801便墜落事故

もう一度検索