着陸復行

着陸復行（ちゃくりくふっこう）

着陸復行、または着陸復航とは、航空機が着陸またはその進入を続けることを中止し、再び上昇する行為を指します。この手続きは「ゴーアラウンド（Go-around）」とも呼ばれ、パイロットや管制官の判断によって行われます。

概要

この行為はパイロットの独自の判断によることもあれば、管制官が滑走路や航空交通の状況を考慮して進入を続けることが危険であると判断した場合に指示されることもあります。特に「着陸復航」と表記されることもありますが、一般的には「復行」という場合、着陸復行を意味することが多いのです。

例えば、接地点が過剰に奥に逸れてしまった際には、そこからの再上昇はタッチアンドゴーとは異なり着陸復行となります。海軍[[航空隊]]においては、このプロセスを「ウェーブ・オフ（Wave off）」と称します。

近年、旅客機にはオートスロットル機能を搭載しているものがあり、TO/GAスイッチ（Takeoff/Go-around switch）を押すことで推力を上げ、自動的に上昇する手順が可能となっています。しかし、このスイッチが誤って押され、着陸復行モードに移行したために空間識失調を引き起こして墜落する事故が発生した場合もあります（例：アトラス[[航空3591便墜落事故]]）。このため、オートランドが作動している時にTO/GAスイッチを押すと、着陸モードが解除され復行モードに移行します。

進入復行

進入復行（しんにゅうふっこう）は、計器飛行方式で進入中の航空機がその進入を中止し、定められた進入復行方式に従って飛行することです。この方法はミストアプローチ（Missed-Approach）とも呼ばれ、計器進入方式ごとに規定された進入復行経路に従います。通常、超短波全方向式無線標（VOR）、距離測定装置（DME）、無指向性無線標識（NDB）上での旋回待機などが含まれます。

進入再開には管制官からの許可が必要で、計器進入方式による進入許可には進入復行の許可も含まれています。

着陸復行・進入復行の理由

着陸復行や進入復行が行われる理由には、いくつかのパターンがあります。以下に代表的な例を挙げます：

• - 一定の高さ（ディシジョン・ハイト）まで降下しても視界が悪く、滑走路が確認できない場合。
• - 背風（テイルウインド）や横風（クロスウインド）の影響で、安全に着陸できないと判断した場合。
• - 滑走路上に障害物が存在する、または離陸機および先行着陸機との安全な間隔が確保できないとき。

特に空母に着艦する際は、パイロットではなく飛行甲板の責任者であるエアボスや着艦信号士官（LSO）が進入復行の判断を行います。LSOが操作する光学着艦装置の信号に従い、着艦を中止して即座に復行します。

結論

着陸復行や進入復行は航空機の運行において極めて重要な手続きであり、状況に応じた適切な判断が求められます。これらの行動は安全を最優先にした航空運行の一部であり、パイロットと管制官の連携が欠かせません。

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