ベトナム鉄道

ベトナム鉄道公社について

ベトナム鉄道公社（Vietnam Railways Corporation）は、ベトナムの鉄道事業を担う国営企業です。ハノイに本社を置き、ベトナム国内の鉄道網の運営を行っています。

概要

ベトナム鉄道公社は、2003年に設立され、総延長2,632kmの路線を運営しています。この路線網は、標準軌、三線軌条、メーターゲージの3種類の軌間から構成されています。

歴史

ベトナムの鉄道の歴史は、1881年にフランス領インドシナ時代に遡ります。当初はフランスによって建設され、植民地支配の手段として利用されました。ベトナム独立後、鉄道は国家の重要なインフラとなり、復旧と拡張が進められました。

沿革

1881年: ベトナム最初の鉄道（サイゴンとミトー間）が開通。
1936年: 全長2600kmのベトナム鉄道網が完成。
1955年: 鉄道総局が設立され、ベトナム国内の鉄道を運営。
1976年: ハノイとホーチミン間の路線（南北線）が再結合。
1990年: 鉄道総局がベトナム鉄道連合に改組。
1995年: 上下分離方式が導入。
2003年: ベトナム鉄道公社が設立。
2005年: 鉄道法が可決。
2010年: ベトナム鉄道公社が国営有限責任会社に転換。

上下分離方式

1995年に導入された上下分離方式により、インフラの整備は政府が、列車の運行とインフラの保守はベトナム鉄道連合が担うことになりました。この方式により、鉄道事業の効率化が図られました。

ベトナム鉄道公社の設立

2003年には、ベトナム鉄道連合を改組し、ベトナム鉄道公社が設立されました。これにより、鉄道事業の管理体制が強化され、より効率的な運営が可能になりました。

事業内容

ベトナム鉄道公社は、以下の事業を行っています。

ベトナム国内の鉄道輸送
国際輸送
運輸代理業
鉄道施設の修理と保守
鉄道車両、設備、部品の製造、修理、コンサルタント

路線

ベトナム鉄道公社が運営する主な路線は以下の通りです。

南北線: ベトナムを縦断する主要路線（メーターゲージ）
ハノイ・ハイフォン線: ハノイとハイフォンを結ぶ路線（メーターゲージ）
ハノイ・ラオカイ線: ハノイとラオカイを結ぶ路線（メーターゲージ）
ハノイ・ドンダン線: ハノイとドンダンを結ぶ路線（メーターゲージ、一部三線軌条）
ハノイ・クアンチエウ線: ハノイとクアンチエウを結ぶ路線（メーターゲージ、一部三線軌条）
ケプ・ルーサー線: 標準軌路線
ケプ・カイラン線: 標準軌路線
ハロン支線: チーリン - コータイン（標準軌）

計画路線

2021年に公布された首相決定第1769号/QD-TTgに基づき、以下の路線が計画されています。

ベトナム南北高速鉄道計画: ゴックホイ駅（ハノイ市）- トゥーティエム駅（ホーチミン市）間、全長1545km
ハノイ東部環状路線: 全長59km
イエンヴィエン駅（ハノイ市）- ファーライ - ハロン市 - カイラン: 全長129km
ハノイ市 - ハイフォン市: 全長102km
ブンアン - タンアップ - ムザ: 全長103km
ビエンホア - ブンタウ: 全長84km
ホーチミン市 - カントー市: 全長174km
ホーチミン市 - ロックニン県: 全長128km
* トゥーティエム駅（ホーチミン市） - ロンタイン県: 全長38km

これらの計画路線は、ベトナムの鉄道輸送能力を大幅に向上させることを目的としています。

まとめ

ベトナム鉄道公社は、ベトナムの経済発展に不可欠なインフラである鉄道網の運営を担っています。その歴史は古く、多くの変遷を経て現在の体制に至っています。今後も、計画路線の建設などを通じて、ベトナムの経済成長に貢献していくことが期待されます。

もう一度検索