ベルナップ級ミサイル巡洋艦

ベルナップ級ミサイル巡洋艦

ベルナップ級ミサイル巡洋艦は、アメリカ海軍が1960年代に開発したミサイル巡洋艦の艦級で、基本計画番号はSCB-212である。この艦級は、1961年度および1962年度計画に基づいて建造され、当初はミサイル・フリゲート（DLG）として9隻が建造され、1964年から就役を開始した。その後、1975年には類別変更が行われ、ミサイル巡洋艦（CG）に再分類された。

来歴

アメリカ海軍は第二次世界大戦末期から艦対空ミサイルの開発を始め、新たな艦隊防空能力を獲得しようとしていた。初めに開発されたテリアとタロスミサイルは既存の巡洋艦への改修で装備され、テリアは駆逐艦レベルの小型船体でも搭載可能であることが判明した結果、大きな艦の改修は行われなくなった。こうした経緯の中で、ミサイル搭載の駆逐艦やフリゲート艦の設計が進められた。

1956年度計画では、ミサイル・フリゲートとしての発展型が設計され、テリアミサイル装備の艦艇として進化する過程で、リーヒ級からの派生設計も検討された。さらに、1959年には艦隊護衛艦の数を確保するため、コストの低減を目指した艦の建造が決定された。これに基づき、リーヒ級の設計をアレンジしたベルナップ級が策定され、最終的に9隻が建造される運びとなった。

設計

ベルナップ級の基本設計は、リーヒ級の発展型とされており、主に長船首楼型と呼ばれる船型を採用した。艦の配置はテリア発射機を艦首に、艦砲を艦尾に設ける形になっており、これはシングル・エンダーと呼ばれる配置である。この設計は、艦砲とミサイル発射機の位置に関して異なる意見があったが、最終的にこの配置が選ばれた。

主機はリーヒ級の設計を引き継ぎ、高圧高温ボイラーが搭載された。また、電源系統についても強化されており、タービン発電機とディーゼル機関を使用することで、十分な電力供給を実現している。

装備

ベルナップ級は、海軍戦術情報システム（NTDS）を搭載した最初の艦級であり、これにより艦隊内の情報共有や指揮所の自動化が進められた。艦の情報処理能力はその後の改装により向上し、戦術的な運用が可能となった。

艦砲やミサイルシステムに関しても多様な装備が整っており、艦対空ミサイル発射機としてテリアミサイルを搭載し、後にはSM-1ERやSM-2ERへの対応も進められた。また、艦砲としては127mmの速射砲や76mmの単装速射砲が装備され、さらにファランクスCIWSが搭載されることで、近接防御力も強化された。

同型艦とその後の運用

ベルナップ級は、同型艦との類似性を保ちながら、技術の進化に応じた改修が続けられた。クラスの中でも特に「ベルナップ」は、第6艦隊の旗艦として重要な任務を果たし、多岐にわたる海軍作戦に参与してきた。

文化的影響

ベルナップ級は、その存在が映画やゲームなどでも取り上げられ、特に『ファイナル・カウントダウン』や『沈黙の艦隊』などで描かれた。このように、艦艇の歴史は艦隊だけでなく、さまざまな文化的側面にも影響を与えている。

このように、ベルナップ級ミサイル巡洋艦はアメリカ海軍におけるミサイル技術の先駆けとして、艦隊戦力を高める役割を果たしてきた。

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