ベルモンド (企業)

ベルモンド（Belmond Ltd.）は、世界中で高級ホテル、豪華列車、そしてリバークルーズを運営する企業として知られています。そのルーツは、かつてのオリエント・エクスプレス・ホテルズに遡り、2014年に現在のベルモンドへと社名を変更しました。この社名変更は、ラテン語で「美しい地」を意味する言葉に由来し、その名の通り、世界各地の美しい場所で、贅沢な滞在体験を提供しています。

ベルモンドは、現在22カ国で45軒のラグジュアリーホテル、1軒のレストラン、6つの豪華列車、そして3つのリバークルーズを運営しています。この多岐にわたる事業展開は、創業者のジェームス・シャーウッド氏が率いる海運会社シーコンテナ社の社長であった時代から始まりました。特に有名なのは、ロンドンとヴェネツィアを結ぶ豪華列車「ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス」です。これは、ベルモンドの象徴的な存在であり、鉄道旅行の頂点を極める体験を提供しています。

さらに、イギリス国内では「ベルモンド ブリティッシュ・プルマン」と「ベルモンド ノーザンベル」が、スコットランドでは「ロイヤル・スコッツマン」が運行されており、各々の地域で異なる趣の列車旅を提供しています。また、ペルーではクスコとマチュピチュを結ぶ「ペルー・レイル」の半分の株式を保有し、アンデスの絶景を列車から楽しむことができます。

リバークルーズでは、ミャンマーの中心を流れるエーヤワディー川（旧イワラジ川）を航行する「ロード・トゥー・マンダレイ」や、フランスを巡る「アフロート・イン・フランス」のフランチャイズを運営しています。これらのクルーズは、それぞれの地域特有の文化や景色を、ゆったりと堪能できる旅として人気があります。

レストラン事業では、ニューヨークにある「21 クラブ」が有名です。このレストランは、洗練された雰囲気と上質な料理で、多くの人々を魅了しています。

ヨーロッパに点在するホテルの中で特に有名なのは、ヴェネツィアにある「ベルモンド ホテル・チプリアーニ」です。このホテルは、かつてオリエント・エクスプレス社が49%の株を売却した経緯がありますが、その歴史と風格は今もなお健在です。また、このホテルをめぐっては、ロンドンの裁判所でCipriani S.A.との訴訟があり、最終的にベルモンド側が勝訴し、Cipriani S.A.はロンドンでチプリアーニの名称を使用することが禁止されました。その他ヨーロッパのホテルには、アマルフィー海岸の「ベルモンド カルーソ」、フィレンツェの「ベルモンド ヴィラ・サン・ミケーレ」、サンクトペテルブルクの「ベルモンド グランド・ホテル・ヨーロッパ」などがあります。

南アメリカでは、リオデジャネイロの「ベルモンド コパカバーナ・パレス」、ペルーのクスコにある「ベルモンド ホテル・モナステリオ」と「ベルモンド パラシオ・ナザレナス」、マチュピチュ遺跡近くの「ベルモンド サンクチュアリー・ロッジ」、ウルバンバの「ベルモンド ホテル・リオ・サグラド」、リマの「ベルモンド ミラフローレス・パーク」があります。さらに、ブラジルにはイグアスの滝があるイグアス国立公園内唯一のホテルである「ベルモンド ホテル・ダス・カタラタス」も運営しています。

東南アジアには、バリ島の「ベルモンド ジンバラン・プリ・バリ」、カンボジアのシェムリアップにある「ベルモンド ラ・レジデンス・アンコール」、ミャンマーのヤンゴンにある「ベルモンド ガバナーズ・レジデンス」、ラオスのルアンパバーンにある「ラ･レジデンス・プーバオ」、タイのサムイ島にある「ナパサイ」などがあります。

ベルモンドは、これらのホテルや列車、クルーズを通して、旅行者に特別な体験を提供し続けています。その歴史と伝統、そして革新的なサービスは、世界中の旅行者から高い評価を得ています。

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