ベルリン条約 (1878年)

ベルリン条約（1878年）

ベルリン条約は、1878年のベルリン会議において締結された重要な国際条約です。この条約は、露土戦争の結果、互いに懸念する列強国間への影響を考慮し、サン・ステファノ条約を修正した内容を持っています。ここでは、条約の主な内容を詳述いたします。

三国の独立

ベルリン条約において最も注目されるのは、セルビア、モンテネグロ、ルーマニアといったバルカン地域の国々の独立が正式に認められた点です。一方で、サン・ステファノ条約で約束された領土は多くがオスマン帝国へと戻されました。セルビアとモンテネグロは、戦争前に比べて領土を若干拡大しますが、大部分はオスマンの支配下となります。

大ブルガリアの分割

次に、ブルガリアに関する重要な変更があります。サン・ステファノ条約で設立された広範な自治権を有するブルガリア公国は、ベルリン条約によって三つの部分に分かれます。マケドニアはオスマン帝国に返還され、北の地域はブルガリア自治公国とされ、南部は東ルメリ自治州としてオスマン帝国内に置かれました。この新たな体制では、ブルガリア自治公国はオスマン帝国に貢納する義務が課せられ、東ルメリではキリスト教徒の総督がスルタンによって任命されました。

オーストリア＝ハンガリーによるボスニア占領

ベルリン条約はオーストリア＝ハンガリーによるボスニアとヘルツェゴヴィナの占領を正当化する要素をもたらしました。本来は自治権を持つべきであったこの地域は、オーストリアが軍事的に占拠することとなります。これは露土戦争時のオーストリアとロシア間の密約に基づくもので、オーストリアはボスニア・ヘルツェゴヴィナの占領を行う代わりに中立を保つことが求められました。こうして、1908年までオーストリアがこの地域の実質的な支配権を持ち続ける事態となりました。

ノヴィ・パザール県の駐屯権

ベルリン条約では、オーストリア＝ハンガリーが、ノヴィ・パザール県（サンジャク地方）に軍を駐屯させる権利が認められました。この地域は、セルビアとモンテネグロの間に位置し、そこにおけるオーストリアの影響力が強化される結果となります。

アナトリア東部の返還

また、アナトリアに関する領土も重要な議題の一つです。サン・ステファノ条約では、黒海南岸のバトゥミとアナトリアのカルス、アルダハン、ドゥバヤジトがロシアに譲渡されることとなっていましたが、ドゥバヤジトはオスマン帝国に返還される結果となりました。

まとめ

このように、1878年に締結されたベルリン条約は、バルカン半島の国々の独立を認める一方で、彼らの領土がオスマン帝国に大部分返還されるという妥協点を含む複雑な内容となっています。国際社会に影響を与えたこの約定は、東方問題と呼ばれる一連の地域的悩みから生じたものであり、後の歴史にも大きな影響を及ぼしました。

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