ベンジャミン・ウェイド

ベンジャミン・ウェイド（1800年 - 1878年）

ベンジャミン・ウェイドは、ペンシルベニア州出身のアメリカの政治家および弁護士で、特に南北戦争やレコンストラクション時代における急進派共和党の指導者として知られています。彼は1800年10月27日にマサチューセッツ州フェーディングヒルズに生まれ、その後オハイオ州に移住しました。ウェイドは、若かりし頃に法律を学び、1828年に法廷弁護士として活動を開始しました。

初期の経歴

ウェイドの政治キャリアは、1831年に反奴隷制度運動家であるジョシュア・ギディングスと共に法律事務所を創設し、1836年にはアシュタビューラ郡の検察官に就任することでスタートしました。その後、ホイッグ党に所属しオハイオ州上院議員に選出されました。ウェイドは1847年にはサミット郡の裁判所の首席判事として任命され、法律の専門家としての地位を確立しました。ホイッグ党の衰退とともに党を離れ、1851年に新たに結成された共和党へ参加しました。

彼は上院議員として、アフリカ系アメリカ人の平等権、女性参政権、労働者の権利を積極的に支持し、当時の急進的な政治家の一人として知られていました。

南北戦争

南北戦争中、ウェイドは北部軍の指導者たちに対して批判的な立場を取りました。特に1861年の第一次ブルランの戦闘では北軍の敗北を目の当たりにし、その後の連邦政府の戦争遂行方針について厳しい視線を向けました。ウェイドは、連邦が奴隷制度を廃止する必要があると主張し、上院領土委員会の委員長として重要な法案を支持しました。

ジョンソン大統領の弾劾

1865年にリンカーン大統領が暗殺された後、ウェイドはその後を継いだジョンソン大統領に対して厳しい批判を展開しました。特に、彼は公民権の拡大を支持し、憲法修正第14条の成立を強く推進しました。彼の努力により、急進派共和党の力を強化し、やがて上院議長代行に就任しました。

逆に、ジョンソン大統領の弾劾にも関与し、ウェイドは裁判の上院議員の一人として位置づけられることとなりましたが、彼の大統領代行の可能性については周囲から批判を受けました。彼らの多くはウェイドが大統領職に就くことを望まず、その結果ジョンソンは弾劾裁判で無罪となりました。

政治活動の継続

1868年、ウェイドはウリシーズ・グラントの副大統領候補として推薦されましたが、最終的にはスカイラー・コルファクスが選ばれました。ウェイドはその後オハイオ州に戻り法律実務を再開しましたが、政界には戻らず様々な活動を続けました。彼はノーザン・パシフィック鉄道の代理人としての役割を果たし、新たな法律と政策に貢献しました。

大衆文化の中で

ウェイドについての言及は大衆文化の中にも見られ、1961年にはNBCテレビの番組『アメリカ人』で演じられました。彼は1878年3月2日にオハイオ州で亡くなりましたが、彼の政治思想や活動は今もなお評価されています。ウェイドの業績は、アメリカにおける急進的な改革運動の重要な一ページに刻まれるものとなっています。

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