ベンテ・スカリ

ベンテ・スカリ（旧姓マルティンセン）は、1972年生まれ、ノルウェー出身の元クロスカントリースキー選手です。彼女は1990年代から2000年代前半にかけて国際舞台で活躍し、オリンピックと世界選手権で合計6個の金メダルを獲得するなど、数々の輝かしい成績を収めました。父親は1968年グルノーブルオリンピックで金メダルを獲得したオッド・マルティンセンであり、まさにスキー一家に育ちました。

スカリは、1992年にクロスカントリースキー・ワールドカップにデビュー。1994年のリレハンメルオリンピックでは15kmで20位となりました。その後、1997年ノルディックスキー世界選手権リレーで銀メダルを獲得し、翌1998年長野オリンピックではリレーで銀メダル、5kmで銅メダルを獲得するなど、着実に力をつけていきました。このシーズンのワールドカップでは3勝を挙げ、総合2位という好成績を収めました。

1999年ノルディックスキー世界選手権では5kmで金メダルを獲得し、ワールドカップでは7勝を挙げて総合優勝を果たしました。同年、元クロスカントリースキー選手であるガイル・スカリと結婚し、スカリ姓となりました。2000年にはワールドカップで5勝を挙げ、2シーズン連続の総合優勝を飾りました。

2001年ノルディックスキー世界選手権では、10kmと15kmで金メダル、リレーで銀メダルを獲得。ワールドカップ総合では2位となり、3連覇を逃しましたが、その活躍が認められ、ホルメンコーレン・メダルを父に続いて受賞しました。

2002年ソルトレイクシティオリンピックでは、30kmで銅メダル、リレーで銀メダル、10kmで金メダルを獲得。ワールドカップでも総合優勝を果たし、2シーズンぶり3度目の総合優勝となりました。

翌2003年の世界選手権では、10kmと15kmで金メダルを獲得。ワールドカップではシーズン14勝という圧倒的な強さを見せ、2年連続4度目の総合優勝を達成しました。しかし、このシーズン限りで現役を引退しました。

引退後、スカリは2007年に女性として初めてクロスカントリースキーの競技管理者となり、2007-2008ツール・ド・スキーで技術代表補佐を務めました。これは、ノルウェースキー連盟が女性の競技管理者を増やす試みの一環として行われました。

ベンテ・スカリは、現役時代には圧倒的な強さで数々のタイトルを獲得し、引退後も競技運営に貢献するなど、クロスカントリースキー界に多大な影響を与えた人物として知られています。

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