ベントンビルの戦い

ベントンビルの戦い

ベントンビルの戦い（Battle of Bentonville）は、南北戦争の終息に向けた重要な戦闘の一つであり、1865年3月19日から21日にかけてノースカロライナ州のベントンビルで行われました。この戦闘は、北軍のウィリアム・シャーマン少将と南軍のジョセフ・ジョンストン将軍の間で行われた最後の大会戦であり、南北戦争の歴史において特別な意義を持っています。

背景

1865年の冬から春にかけて、北軍は南カロライナ州を進軍し、周辺地域に多大な被害をもたらしました。この時期、北軍の指導者であるシャーマンは、前年の海岸への進軍時と同様の策略を用いて、敵を打破して進軍を続けることを計画していました。3月8日、北軍はノースカロライナ州へと侵入し、南軍はこの動きに対応すべく、自軍を結集し、北軍の進行を阻止しようとしました。

シャーマンは自軍を二つの翼に分割し、左翼をヘンリー・W・スローカム少将、右翼をオリバー・O・ハワード少将に指揮させました。二つの部隊はそれぞれ異なる道を選び、ゴールズバラへ進軍することとなります。南軍の斥候はこの状況を察知し、ジョンストンは自軍全てをスローカム隊に集中させる戦略を立てました。戦闘は3月19日に始まり、スローカム隊がベントンビルの南側を行進している最中に南軍の攻撃が始まりました。

戦闘の経過

スローカムは、最初は敵が騎兵隊だけであると思い込み、シャーマンへ援軍の要請を行われませんでした。しかし、午後になると南軍の歩兵が現れ、北軍の左翼を混乱させ、後退を余儀なくさせました。D・H・ヒル少将の指揮する南軍は、北軍の後退スペースを埋め尽くし、北軍に追撃を開始しました。激しい戦闘が繰り広げられ、多くの casualties が発生しましたが、北軍の援軍が到着し、攻撃を抑制しました。

戦闘は夜間も続きましたが、南軍は北軍の前線を押し戻すことができませんでした。スローカムはその間に援軍が必要だと判断し、シャーマンへ援助要請を送ります。ジョンストンは、徐々に劣勢になることを見越して、部隊をミル・クリークへ後退させる準備を進めました。

3月20日、ハワードの部隊が戦場に到着し、スローカム側に展開しましたが、この日の戦闘は小規模のものでした。続いて、3月21日、北軍のジョセフ・A・モーワー少将が南軍の左側面に攻撃を仕掛けます。モーワー隊は南軍の防衛線に接近しましたが、シャーマンは撤退を命じ、攻撃の機会を逃してしまいます。

結果

夜間の撤退に際し、ジョンストンはミル・クリークを越えて自軍を後退させ、その後の橋を焼きました。シャーマンは南軍に追撃することなく、ゴールズバラへの進軍を続けました。この戦闘により、南軍はノースカロライナでの北軍に対する決定的な勝利を得る最後の機会を失ったのです。

ベントンビルの戦いは戦場跡として現在も保存されており、1996年には国立歴史史跡に指定されています。この戦いの影響と歴史的意味は、現代に至るまで多くの人々に研究され続けています。

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