オリバー・O・ハワード

オリバー・オーティス・ハワード：南北戦争の将軍、教育者

オリバー・オーティス・ハワード（1830年1[[1月8日]] - 1909年10月26日）は、アメリカ陸軍の職業軍人であり、南北戦争では北軍の将軍として重要な役割を果たしました。軍団指揮官として、チャンセラーズヴィルやゲティスバーグの戦いでの敗北を経験しましたが、西部戦線ではその挫折を克服し、軍団および一軍の指揮官として功績を残しました。戦後、西部での部隊指揮を経て、ネズ・パース族に対する作戦を遂行し、ハワード大学の設立を推進した人物としても知られています。

初期の経歴

ハワードは、メイン州リーズでローランド・ベイリー・ハワードとエリザ・オーティス・ハワード夫妻の息子として誕生しました。父親は農夫であり、ハワードが9歳の時に亡くなりました。彼は、メイン州モンマスのモンマス・アカデミー、ヤーマスのノースヤーマス・アカデミー、リードフィールドのケンツヒル学校で学び、1850年にボウディン大学を卒業しました。その後、陸軍士官学校に進み、1854年に同期46人中4番目の成績で卒業し、兵站部の名誉少尉に任官されました。ニューヨーク州トロイ近くのウォーターブリート武器庫や、メイン州オーガスタのケネベック武器庫で勤務しました。

1855年にはエリザベス・アン・ホワイトと結婚し、7人の子供をもうけました。1857年にフロリダ州に転属し、セミノール戦争に従軍。この時期に福音派キリスト教会に改宗し、牧師になることも考えましたが、南北戦争の勃発により軍人としての道を進むことを決意しました。彼の宗教的信念から「クリスチャン将軍」という渾名で呼ばれることもありました。1857年にはウェストポイントに戻り、数学の教官を務め、翌年には中尉に昇進しました。

南北戦争

サムター要塞の陥落により南北戦争が勃発すると、ハワードは牧師になる夢を捨て、国のために戦うことを決意しました。第3メイン歩兵連隊の大佐に任命され、第一次ブルランの戦いでは一時的に旅団の指揮を執りました。1861年9月3日には准将に昇進し、旅団の指揮官となりました。半島方面作戦では、ジョージ・マクレラン少将率いるポトマック軍に加わりました。

1862年6月1日、フェアオークス（セブンパインズの戦い）で旅団を指揮中に、右腕に2度の負傷を負い、切断を余儀なくされました。この功績により、1893年に名誉勲章を授与されました。ハワードはすぐに復帰し、アンティータムの戦いでは第2軍団の師団指揮官として参戦しました。1862年11月には少将に昇進し、1863年4月には第11軍団の指揮官に就任しました。この軍団は大部分がドイツ人移民で構成されており、兵士たちは英語を話せず、新しい指揮官であるハワードに不満を抱き、前任のフランツ・シーゲルの復帰を求めました。

ハワードの軍歴における大きな挫折の一つが、1863年5月2日のチャンセラーズヴィルの戦いです。北軍前線の右翼に位置していたハワードの第11軍団は、南軍のロバート・E・リー将軍とストーンウォール・ジャクソン中将の大胆な側面攻撃により潰走しました。この時、ポトマック軍を指揮していたジョセフ・フッカー少将から、ハワード軍団の側面が「無防備」であるとの警告を受けていたにもかかわらず、ハワードは適切な対応を怠りました。

ゲティスバーグの戦いでは、第11軍団はチャンセラーズヴィルの戦いの敗北からまだ立ち直っていない状態で1863年7月1日午後に戦場に到着しました。ハワード指揮下の師団指揮官フランシス・C・バーロー准将の防御配置の不手際が、南軍のリチャード・イーウェル中将に付け込まれ、第11軍団は再び潰走し、ゲティスバーグの町を撤退しました。この戦いにおいて、ハワードはセメタリーヒルでの指揮権を巡り、ウィンフィールド・スコット・ハンコック少将と対立しましたが、最終的にはハンコックに指揮権を譲りました。ハワードは第11軍団の敗北を、アブナー・ダブルデイ少将の第1軍団の崩壊が原因であると主張しましたが、これは受け入れられませんでした。

ハワードの軍団は、西部戦線に転属となり、テネシー州でカンバーランド軍の一部となりました。第三次チャタヌーガの戦いでは、ミッショナリーリッジを占領する攻撃に参加し、ブラクストン・ブラッグ将軍率いる南軍を撤退させました。1864年7月には、ジェイムズ・マクファーソン少将の戦死を受けてテネシー軍の指揮官となり、アトランタ方面作戦ではウィリアム・シャーマン少将の有名な海への進軍の右翼を率いて、ジョージア州から両カロライナ州まで進軍しました。

戦後

1865年5月から1867年7月まで、ハワードは難民、解放奴隷および放棄土地監督局のコミッショナーを務めました。1874年にはコロンビア方面軍の指揮を任され、ワシントン準州バンクーバー砦に赴任し、インディアン戦争で戦いました。特にネズ・パース族に対する作戦では、ジョセフ酋長の降伏に貢献しました。1879年、ワシントンD.C.でジョセフ酋長は、「もしハワード将軍が、私が蓄えを集める時間をくれ、人が扱われるべきようにトゥ・ハル・ハル・ソトを待遇をしてくれたならば、戦争は無かっただろう。」と主張しました。その後、ハワードは1881年から1882年まで陸軍士官学校の校長を務め、1882年から1884年まではプラット方面軍の指揮官を務めました。1894年には少将の位でアメリカ陸軍を退役しました。

ハワード大学

ハワードは、ワシントンD.C.にあるハワード大学の設立において重要な役割を果たしました。この大学は、1867年に連邦議会によって法人化され、宗派や人種、性別に関わらず入学できる大学として設立されました。ハワードは、解放奴隷監督局のコミッショナーとして、元奴隷や難民の福祉と教育を推進しました。当初、有色人牧師を育てるための神学校を計画していましたが、その後、牧師以外の教育機関を設立することに興味が移り、ハワード師範・工業学校を設立しました。1867年1月8日、理事会の投票によりハワード大学と改称されました。ハワードは1869年から1874年まで学長を務めました。また、1895年にはテネシー州ハロゲイトにリンカーン記念大学も創設しました。

死および記念

ハワードは、バーモント州バーリントンで亡くなり、レイクビュー墓地に埋葬されました。

ハワードの功績を記念し、ハワード大学にはジェイムズ・E・ケリーがデザインした胸像が展示されています。また、ゲティスバーグ戦場跡には、彼の騎馬像が建てられています。ボウディン大学には、ハワードの名前を冠した学生寮があり、共和国グランドアーミーのオリバー・O・ハワード救済部隊は、元北軍兵の救済と公共事業の支援を行いました。

その他、ハワードにちなんで名付けられた場所や施設には、デラウェア州ウィルミントンのハワード工業高校、ネブラスカ州のハワード郡、テネシー州チャタヌーガのハワード・アカデミックス・工業学校などがあります。

著作

ハワードは、戦後多くの著作を著しました。『ドナルドの学校時代』（1878年）、『ネズ・パース族のジョセフ』（1881年）、『テイラー将軍』（1892年）、『カスティラのイザベラ』（1894年）、『自叙伝』（1907年）、『私の人生と敵対的インディアンの中での経験』（1907年）などがあります。

大衆文化の中で

1950年の映画『折れた矢』では、バジル・ライスデールがハワード将軍を演じ、ジェームズ・ホイットモアは1975年のテレビ映画『もはや永久に戦わない』でハワード将軍を演じました。

名誉勲章の謝辞

ハワードは、1862年6月1日のフェアオークスでの活躍により、1893年3月29日に名誉勲章を授与されました。

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