ペテル・ペレグリニ

ペテル・ペレグリニ（Peter Pellegrini）は、1975年10月6日生まれのスロバキアの政治家であり、現在スロバキアの大統領を務めています（2024年就任）。彼はこれまでに国民議会議長（2014-2016、2023-2024）、副首相（2016-2018）、そして首相（2018-2020）といった要職を歴任してきました。

経歴

ペレグリニは、マテイ・ベル大学経済学部やコシツェ工科大学で銀行業、投資、金融を専門的に学びました。2002年から2006年までの期間、彼はエコノミストや全国民営化理事会の顧問として活動し、経済分野での専門知識を培いました。

2006年の総選挙において、ペレグリニは方向・社会民主主義（SMER-SD）から国会議員として初めて選出されました。その後、2010年と2012年の総選挙でも再選を果たし、政治家としての地位を確立しました。

2012年から2014年まで、ペレグリニは財務次官や文部科学相を歴任し、行政手腕を発揮しました。2014年11月25日には、パヴォル・キシュカの後任として国民議会議長に選出され、議会運営のリーダーシップを取りました。2015年には、欧州連合（EU）からスロバキアのデジタル化推進大使に任命され、情報技術分野での貢献も認められました。2016年には、第3次ロベルト・フィツォ内閣において、議長の職を辞任し、投資担当の副首相に就任しました。

2018年3月15日、当時の首相であったロベルト・フィツォが、ジャーナリストのヤン・クツィアク殺害事件を受けて辞任したことを受け、ペレグリニが首相に昇格しました。3月21日には、アンドレイ・キスカ大統領によって正式に首相に指名され、3月26日には国会の承認を得て、首相としての職務を開始しました。

2020年2月20日から21日にかけて、ペレグリニはブリュッセルで開催された欧州連合首脳会議に出席しました。しかし、帰国直後の2月22日、呼吸器の急性感染症と高熱のため入院しました。当初、新型コロナウイルスの感染が疑われましたが、スロバキア政府の報道官は「首相は疲労によって肺炎にかかった」と発表しました。

2020年2月29日に執行された国民議会選挙では、ペレグリニは方向・社会民主主義の首相候補として選挙戦を戦いました。しかし、野党の普通の人々が53議席を獲得し、彼の党は2006年以来初めて第2党に転落しました。この結果を受け、ペレグリニは3月20日に首相を退任し、普通の人々党首のイゴール・マトビッチが新たに首相に就任しました。

2023年10月25日、議長選挙において賛成131票という過半数を獲得し、ペレグリニは自身2度目となる国民議会議長に就任しました。

2024年の大統領選挙において、ペレグリニは大統領に選出され、6月15日に国民議会の特別会議中に就任宣誓を行いました。これにより、彼は大統領・首相・国会議長の3つのポストを全て歴任したスロバキア史上初の人物となりました。大統領には無党派の人物が就任するという政治的な慣例に従い、彼は所属していた声・社会民主主義の議長（代表）を辞任し、同党からも離党しました。

人物

ペレグリニはイタリア系の血を引いており、彼の曽祖父であるレオポルド・ペレグリニは、レヴィツェとズヴォレンを結ぶ鉄道建設の労働者として、当時のオーストリア＝ハンガリー帝国に渡ってきました。レオポルドはバンスカー・ビストリツァ県ジアル・ナド・フロノム近くの村で地元の女性と恋に落ち、その後その地に定住しました。

もう一度検索