ペルディッカス3世

ペルディッカス3世について

ペルディッカス3世（Περδίκκας Γ`、いわゆるペルディッカス3世）は、紀元前368年から紀元前359年まで在位したマケドニアの王であり、アルゲアス朝の一員として歴史に名を刻んでいます。彼はアミュンタス3世とその妃エウリュディケの間に生まれた2人の息子のうちの一人であり、先代の王アレクサンドロス2世の弟です。また、彼の弟ピリッポス2世は後のマケドニアの最も著名な王となります。

生い立ちと王位の継承

ペルディッカスの青年期は、危機と変革に満ちたものでした。彼の兄、アレクサンドロス2世は、紀元前368年にアロロスによって殺害され、その結果、王位を狙って現れたパウサニアスがマケドニアの政局を混乱させます。エウリュディケは、息子佩らがまだ幼いことから、アテナイで養子として育てていた将軍イフィクラテースに助けを求めました。この支援により、パウサニアスは追放され、ペルディッカスは王位に就くことができました。

しかし、彼の統治期間は平穏ではありませんでした。ペルディッカスは特にアテナイとの関係が緊張しており、王位に就いた後、アンフィポリスを巡る争いに巻き込まれます。彼はアテナイと戦争状態に入りましたが、後にアテナイの将軍カリステネスと彼らの戦争を終息させ、講和を試みました。この背景には、彼自身が将軍としての手腕を発揮しながらも、マケドニアの国内政治の安定を目指す意図があったとされています。

文化的影響と学問

ペルディッカス3世は、単に軍事的な指導者であるだけでなく、文人たちの保護者でもありました。彼の庇護を受けた著名な哲学者として、プラトンの弟子エウフライオスがいます。エウフライオスは、ペルディッカスの信任を受けてマケドニアの学界で高い地位を築き、哲学や幾何学以外の学問を排除する影響力を持つようになりました。ペルディッカスは、こうした文化的活動を通じて、マケドニアの学問的発展に寄与したと言えるでしょう。

戦死と王位の継承

しかし、ペルディッカスの治世は悲劇的な結果を迎えます。彼は、イリュリアとの戦闘において4000人の兵士と共に敗れ、戦死しました。彼の死後、彼の息子アミュンタス4世が王位を継ぎますが、実際の政権は彼の弟ピリッポスが後見する形となりました。ピリッポスは、やがて彼自身も王位に就くことになりますが、ペルディッカスの短い統治は、マケドニア王国の歴史において重要な過渡期として位置づけられています。

このように、ペルディッカス3世は瞬間的な勢力を持つ一方で、彼の生涯は戦争、政治、文化の交錯する時代の中で、マケドニアのために多くの試練を経験した王でした。彼の治世は、後の王たちに多大な影響を与え、マケドニア史の中で重要な一章を成しています。

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