ペルーサ

ペルーサ：JRA最長勝利間隔記録を樹立した競走馬

2007年3月20日生まれのペルーサは、日本の競走馬として、そして後に種牡馬として活躍しました。その馬名は、アルゼンチンのサッカー選手、ディエゴ・マラドーナの愛称に由来しています。

デビューまでの軌跡

名馬ゼンノロブロイの初年度産駒であるペルーサは、2007年のセレクトセール当歳で1億円という高額で落札されました。これは当日のゼンノロブロイ産駒の最高価格であり、藤沢和雄調教師も高く評価していたことから、その素質の高さがうかがえます。当初はダート向きと見られていたものの、芝での活躍が期待されることになります。

華々しいデビューと青葉賞制覇

2009年11月、横山典弘騎手を鞍上にデビュー戦を勝利で飾ると、翌2010年には500万下条件戦も制覇。続く若葉ステークスでは、皐月賞への優先出走権を獲得するも、中山競馬場の短い直線がペルーサに合わないと判断され、日本ダービートライアルである青葉賞へ出走することとなりました。ここではトゥザグローリーに4馬身差をつける圧勝劇で重賞初制覇、4戦全勝で日本ダービーへと駒を進めました。

日本ダービーとその後

日本ダービーではスタートで出遅れ、6着に敗れる結果に終わりますが、その後の天皇賞（秋）ではブエナビスタに2馬身差で2着。このレースでの好走により、ワールド・サラブレッド・ランキングで120ポンドのレーティングを獲得しました。しかし、続くジャパンカップ、有馬記念ではスタートの遅れが響き、思うような結果を残せませんでした。

幾多の苦難を乗り越えて

4歳シーズン以降も、ペルーサは幾多の困難に直面します。天皇賞（春）では8着、ジャパンカップでは最下位と、思うような成績を残せず、さらに、左前挫跖による故障で有馬記念への出走も取り消しとなりました。5歳シーズンにも体調不良や喘鳴症による手術を経験するなど、試練の連続でした。

JRA史上最長勝利間隔記録

その後も苦戦が続きましたが、2015年8月8日、札幌日経オープンで、5年3か月8日ぶりの勝利を挙げます。この記録は、JRA史上最長勝利間隔として大きな話題となりました。しかし、この勝利の後も思うような成績は残せず、2016年7月1日付で競走馬登録を抹消。

種牡馬としての新たな道

引退後はアロースタッドで種牡馬となりました。2018年に初年度産駒が誕生し、2020年には産駒が初勝利を挙げ、その血統の力を見せつけました。種牡馬としての役割を終えたペルーサは、2020年10月29日、北海道札幌市のモモセライディングファームへ移動しました。

ペルーサの血統

ペルーサの母方の血統には、アルゼンチンの牝馬チャンピオンであるディファレントや、東海ステークス3着馬アルファフォーレスなどが含まれています。さらに、母の父であるCandy Stripesは、天皇賞（秋）優勝馬バブルガムフェローや菊花賞馬ザッツザプレンティの母であるバブルプロスペクターの半兄にあたります。

ペルーサの競走生活は、決して順風満帆ではありませんでしたが、その長く険しい道のりを乗り越え、JRA史上最長勝利間隔記録という偉業を達成しました。マラドーナの愛称を冠したこの馬は、多くの競馬ファンに感動と記憶を残し、種牡馬としても新たな道を歩み始めました。その生涯は、競走馬としての強さと、不屈の精神を物語っています。

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