ペロピダス

ペロピダス：テーバイの解放者、その生涯と功績

ペロピダス（紀元前？ - 紀元前364年）は、古代テーバイの政治家、そして将軍として、その名を知られています。彼は、テーバイをスパルタの支配から解放し、ギリシアの覇権国家へと押し上げる上で重要な役割を果たしました。

生い立ちとエパメイノンダスとの出会い

裕福な貴族の家に生まれたペロピダスは、早くから政治や軍事に関心を抱いていたと考えられます。紀元前385年、テーバイがスパルタの対マンティネイア戦に援軍を送った際、ペロピダスはエパメイノンダスと共に従軍します。この戦いで二人は命の危機に瀕しますが、ペロピダスは負傷したところをエパメイノンダスに救われ、これがきっかけで二人の間に強い友情が芽生えました。この友情は、後のテーバイの隆盛を支える原動力となります。

スパルタからの独立運動

当時のギリシアは、スパルタが覇権を握る時代でした。ペロピダスは、そのスパルタの脅威をいち早く察知し、紀元前383年（または382年）に祖国を離れ、アテナイへと潜伏します。アテナイでペロピダスは、テーバイ独立のための活動を主導し、紀元前379年、エパメイノンダスと共にクーデターを成功させ、スパルタ派の政敵を打倒、テーバイをスパルタの軛から解放しました。

将軍としての活躍

テーバイ解放後、ペロピダスは将軍として、主に北方の敵との戦いで活躍しました。エパメイノンダスがテーバイの南、アテナイやスパルタといった強敵を相手に戦ったのに対し、ペロピダスはテッサリアなどで勢力を拡大する敵と対峙しました。

キュノスケファライの戦いと壮絶な最期

紀元前364年、ペロピダスはフェライの僭主アレクサンドロスとの戦い（キュノスケファライの戦い）に挑みます。この戦いでペロピダスはテーバイ軍を勝利に導きますが、自らは討ち死にしてしまいます。彼の死は、テーバイにとって大きな痛手となりました。

プルタルコスによる評価

プルタルコスは『対比列伝』の中で、ペロピダスをローマの将軍マルクス・クラウディウス・マルケッルスと対比しています。二人とも勇猛果敢な将軍であり、祖国のために尽力しましたが、その勇猛さゆえに、最も必要とされる時期に不慮の死を遂げたという共通点があります。

ペロピダスの生涯は、祖国の解放と繁栄のために身を捧げた英雄の物語として、後世に語り継がれています。彼の功績は、古代ギリシア史における重要な一ページとして、永遠に輝き続けるでしょう。

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