ホスタイル (駆逐艦)

HMSホスタイル：激動の生涯を駆け抜けた駆逐艦

イギリス海軍の駆逐艦ホスタイル(HMS Hostile, H55)は、H級駆逐艦として1936年に就役しました。スコットランドのグリーノックで建造され、地中海艦隊に配属。その艦歴は、スペイン内戦、そして第二次世界大戦と、激動の時代を反映するものとなっています。

スペイン内戦と大戦の序盤

ホスタイルは、スペイン内戦において不干渉委員会の布告に基づくスペイン沿岸の巡回任務に従事しました。内戦終結後も地中海で活動を続け、第二次世界大戦勃発時にはマルタに配属。その後、ドイツの通商破壊艦捜索のため、アフリカ西海岸沖のフリータウンへと移動しました。

ラプラタ沖海戦では、ドイツ装甲艦アドミラル・グラーフ・シュペーの動向監視にあたり、その逃亡を阻止する作戦に参加。その後、イギリス本土に戻りオーバーホールを受け、本国艦隊に復帰しました。

ノルウェー海戦と地中海での戦い

1940年4月、ホスタイルはノルウェーのナルヴィク沖海戦に参加し、ドイツ駆逐艦と交戦、大きな戦果を挙げました。この戦闘で被弾はしたものの、軽微な損傷で済みました。その後もノルウェー海域で活動し、戦艦ウォースパイトの護衛などを務めました。

同年5月には地中海艦隊に戻り、7月にはカラブリア沖海戦にも参加しました。地中海での活動中に、ホスタイルはジブラルタルへの移動を命じられますが、その途上で悲劇が訪れました。

沈没

1940年8月23日未明、ボン岬沖で触雷、沈没しました。爆発により乗員5名が亡くなり、3名が負傷しました。僚艦のモホークが生存者を救助、ヒーローが魚雷攻撃でホスタイルを撃沈しました。

ホスタイルの建造費用は、政府供給品を除き25万3382ポンドでした。その短い艦歴の中で、ホスタイルはスペイン内戦と第二次世界大戦の激戦を経験し、幾多の海戦に参加しました。幾多の困難を乗り越えながらも、最終的には地中海の波の下に沈みました。その勇ましい姿は、イギリス海軍の歴史に刻まれています。

参考文献

English, John (1993). Amazon to Ivanhoe: British Standard Destroyers of the 1930s. Kendal, England: World Ship Society. ISBN 0-905617-64-9
Haarr, Geirr H. (2009). The German Invasion of Norway, April 1940. Annapolis, Maryland: Naval Institute Press. ISBN 978-1-59114-310-9
Rohwer, Jürgen (2005). Chronology of the War at Sea 1939-1945: The Naval History of World War Two (Third Revised ed.). Annapolis, Maryland: Naval Institute Press. ISBN 1-59114-119-2

外部リンク

www.hmscavalier.org.uk (参考サイトとして、艦船に関する情報が掲載されている可能性があります。ただし、このサイトへのリンクは、内容を保証するものではありません。)

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