ホセア (イスラエル王)

ホセア - 北イスラエル王国の最後の王

ホセアは、北イスラエル王国の第19代、および最後の王として知られています。彼の治世は、アッシリアとの緊張に満ちた歴史の中で展開されました。ホセアは「ホシェア」とも表記され、紀元前731年にアッシリア王ティグラト・ピレセル3世の支配下で王位に就きました。彼の治める地域は、エフライムの高原地帯に限定されていました。

ホセアの時代には、紀元前734年に発生したシリア・エフライム戦争があり、これを経てガリラヤとヨルダンの東部地域はアッシリアの手に渡りました。ティグラト・ピレセル3世は、メギドを征服した後、ガリラヤ地域の行政の中心として利用し、当時の王であったペカを打倒してホセアが王位につくきっかけとなったのです。しかし、ホセアは実質的にはアッシリアへの名目的な従属君主であり、貢納を強いられていました。

紀元前727年にティグラト・ピレセル3世が死去した際、ホセアは新たな王であるシャルマネセル5世の下での状況に危機感を抱きます。ホセアはエジプトの王ソからの援助を期待し、アッシリアへの貢納を停止しました。この行動は、シャルマネセル5世がイスラエルを攻撃する結果につながり、紀元前725年にはサマリヤが包囲される事態となります。

その後の3年間、ホセアはアッシリア軍に抵抗を試みましたが、最終的には紀元前722年に降伏しました。これにより、北イスラエル王国は歴史の幕を閉じることとなりました。ホセアの崩壊後、紀元前720年にシャルマネセル5世が死去すると、アッシリア軍の一時撤退が起こりますが、その間にイスラエル内での反乱が生じました。最終的には、シャルマネセル5世の後継者サルゴン2世によって平定され、カルカルの戦いによって反乱は鎮圧されました。

アッシリアはこの後、移住政策を進め、イスラエル人はペルシア地方に移住させられました。アッシリアの碑文によれば、サルゴン2世の下で捕らえられた者は約2万8千人にのぼったとされています。こうして旧北イスラエル王国はアッシリアの属州として位置づけられることになり、新しい住民としてバビロンからの移民がサマリヤに定住しました。

脚注

• - 「新聖書辞典」いのちのことば社、1985年
• - サムエル・シュルツ「旧約聖書概観」聖書図書刊行会、1974年

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