メギド

メギドは、現在のイスラエル北部に位置する重要な遺跡であり、エズレル平野の南西端の丘の上に存在します。この地は、世界遺産「聖書ゆかりの遺丘群-メギド、ハツォル、ベエル・シェバ」の一部を構成しています。

周辺地域は常緑の硬葉樹林と低木林が広がり、2011年にはユネスコの生物圏保護区に指定されるなど、豊かな自然環境も有しています。

歴史的背景

メギドは古代世界において、エジプトとアッシリア（メソポタミア）を結ぶ交易路を支配する要衝として、非常に重要な役割を果たしました。主要なルートが交差する地点であったため、メギドとその周辺地域は歴史を通じて数多くの大きな戦闘の舞台となりました。この地には、紀元前7000年から紀元前500年までの長きにわたり、人々が居住していました。

紀元前1478年には、エジプト王トトメス3世がメギドの戦いを繰り広げ、古代エジプトの記録にもその名が残されています。上エジプトにあるトトメス3世の神殿には、この戦いの様子がヒエログリフで詳細に描かれています。また、聖書には「海の道（Derekh Ha Yam）」として登場し、ローマ帝国時代には重要な戦略路として「ウィア・マリス（Via Maris）」として知られるようになりました。

現在のメギド（キブツ）は、メギド遺跡から南西に約200m離れた場所に位置しています。近隣に位置するメギド山（Har-Megiddo）は、ハルマゲドンの語源になったとされています。

メギドを巡る戦い

メギドは、その戦略的重要さから、歴史上何度も戦いの舞台となりました。以下に主な戦いを記します。

メギドの戦い（紀元前1478年）: トトメス3世率いるエジプト軍と、カデシュ王率いるカナン連合軍との間で繰り広げられました。
メギドの戦い（紀元前609年）: エジプト軍を率いるネコ2世とユダ王国との間で戦いが行われました。
メギドの戦い（1918年）: 第一次世界大戦中には、イギリス軍とオスマン帝国軍がこの地で激突しました。

これらの戦いは、メギドが歴史を通じていかに重要な場所であったかを物語っています。

関連情報

聖書ゆかりの遺丘群-メギド、ハツォル、ベエル・シェバ - UNESCO
Megiddo National Park - イスラエル観光省（英語）
The Megiddo Expedition - テルアビブ大学（英語）

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