ホセ・クルーズ

ホセ・クルーズ・ディランは、1947年プエルトリコのアローヨに生まれました。愛称は「チェオ」として親しまれました。

セントルイス・カージナルスで1970年にメジャーデビューを果たし、その後ヒューストン・アストロズへ移籍。13シーズンに渡り、アストロズの主力打者として活躍しました。俊足巧打の外野手として鳴らし、1976年には打率.303、28盗塁を記録。その後も打率3割以上を6回、30盗塁以上を5回記録するなど、安定した成績を残しました。

広い本拠地アストロドームを苦にせず、本塁打こそ少なかったものの、1980年と1985年にはオールスターゲームに出場。1983年と1984年にはシルバースラッガー賞を受賞するなど、球界を代表する好打者としての地位を確立しました。

1986年頃から年齢による衰えが見え始め、1987年にニューヨーク・ヤンキースへ移籍。1988年を最後に現役を引退しました。

引退後、1992年にはアストロズ在籍時の背番号『25』が永久欠番に指定されました。これは、同じく欠番となったマイク・スコットと共に、アストロズの存命選手としては初の栄誉でした。

その後はマイナーリーグやプエルトリコ・ウィンターリーグで監督を務め、1997年からは古巣アストロズでコーチとしてチームに貢献。2003年にはテキサス州の野球殿堂入りを果たしました。2006年のワールド・ベースボール・クラシックではプエルトリコ代表のコーチを務め、息子であるホセ・クルーズ・ジュニアも代表に選出されたため、親子で同じユニフォームに袖を通すという感動的な場面もありました。

アストロズの球団記録として、三塁打80本とサヨナラ本塁打6本は、2022年終了時点でも破られていません。また、アストロズでの1870試合出場は長らく球団記録でしたが、後に自身が指導したクレイグ・ビジオによって更新されました。

ホセ・クルーズは、選手としてだけでなく、指導者としてもアストロズに多大な貢献を果たした、まさに球団のレジェンドと言えるでしょう。


家族
息子：ホセ・クルーズ・ジュニア（1974年生）、エンリケ・クルーズ（1981年生）
弟：トミー・クルーズ（1951年生）、ヘクター・クルーズ（1953年生）

タイトル
シルバースラッガー賞：2回（1983年、1984年）
プレイヤー・オブ・ザ・マンス：1回（1984年7月）

記録
* MLBオールスターゲーム選出：2回（1980年、1985年）

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