ホセ・フェリクス・ウリブル

ホセ・フェリクス・ウリブル：アルゼンチンの軍人、政治家

ホセ・フェリクス・ベニート・ウリブル・イ・ウリブル（1868年7月20日 - 1932年4月29日）は、アルゼンチンの軍人、政治家であり、アルゼンチン史における「忌まわしき10年間」と呼ばれる時代に、その最初の大統領を務めた人物です。

生い立ちと初期の経歴

1868年、ホセ・ウリブルとセラフィナ・ウリブルの間に、いとこ婚によって生まれました。1885年には、ブエノスアイレス首都圏に位置する国立陸軍大学に入学し、軍人としての道を歩み始めます。

その後、ルイス・サエンス・ペーニャ政権や、叔父であるホセ・エバリスト・ウリブル政権下で補佐官を務めました。また、1905年のアルゼンチン革命では、マヌエル・キンタナ大統領側につき、鎮圧に貢献しました。1913年には、ドイツとイングランドに駐在武官として派遣されますが、すぐに帰国。同年5月11日には、サルタ州の代議員副議員を選ぶ特別選挙で当選を果たし、政治家としての足がかりを築きました。

クーデターと大統領就任

1930年9月6日、ウリブルはイポリト・イリゴージェン大統領率いる急進市民同盟政権に対し、軍事クーデターを実行しました。当時の政権は、世界恐慌への対応に苦慮し、汚職も目立っていました。ウリブルはイリゴージェンを追放・幽閉し、自らが大統領の座に就き、全土に戒厳令を布告しました。

大統領在任中、ウリブルはベニート・ムッソリーニのファシスト体制に倣い、協調主義・一党制の独裁体制を確立しようと試みました。しかし、地方選挙では急進市民同盟が勝利するなど、国民の反発も根強くありました。保守派を中心に、マルセーロ・アルベアール政権下で防衛相を務めたアグスティン・ペドロ・フストを擁立する動きが活発化すると、ウリブルは急進市民同盟を排除する形で選挙を実施しました。

大統領退任と晩年

1932年2月19日、ウリブルはフストに大統領の座を明け渡すと、静養のためフランスへ渡りました。しかし、その地で客死し、その生涯を終えました。

ホセ・フェリクス・ウリブルは、アルゼンチン史において、クーデターによって政権を掌握し、独裁体制を敷こうとした controversial な人物として記憶されています。彼の政治姿勢は、その後のアルゼンチン政治に大きな影響を与えました。

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