ホンダ・アコードユーロR

アコードユーロRについて

アコードユーロR（Accord euro-R）は、本田技研工業が生産・販売していたセダン型の乗用車で、6代目および7代目アコードのスポーツモデルとして展開されました。このモデルは、スポーツカーとしての性能とセダンとしての快適性を両立させることを目指し、多くのファンに支持されました。

初代 CL1型（2000-2002年）

初代アコードユーロRは2000年6月に登場し、先代の「SIR-T」の後継として位置づけられました。このモデルは姉妹車であるトルネオにも同じ仕様の「トルネオユーロR」として登場しました。すでに欧州仕様のアコードには「タイプR」が存在したため、日本市場向けのスポーツモデルとも言えます。

ユーロRはセダンとしての扱いやすさを重視しつつ、スポーツ性能も追求しました。走行感覚はマイルドでありながら、4人が快適に乗れる広々とした室内空間が特徴です。エンジンにはプレリュードタイプS用のH22A型がチューニングされ、最高出力は220 PSを実現しました。これにより、エアロパーツや専用装備が施されたモデルとして、他のアコードグレードと明確に差別化されました。

さらに、最終型のクルマには限定版「ユーロR-X」もあり、専用のボディカラーや内装、アルミのシフトノブなどの特別な装備がありました。

2代目 CL7型（2002-2008年）

2代目のCL7型アコードユーロRは2002年10月に登場しました。このモデルでは、トルネオが廃止され、ユーロRはアコードに一本化されました。

エンジンにはK20A型が搭載されており、排気量は減少したものの、最高出力は220 PSを維持。DC5型インテグラタイプRと同タイプのエンジンに改良が行われ、静音性の向上が図られました。また、トランスミッションには7代目アコードのみとなる6速MTを採用し、走行性能を一層高めました。

このモデルは走行性能、居住性、デザインにこだわり、快適さを保持したまま、よりスポーティな走行感を実現しています。Cd値は0.26という優れた数値を持ち、高速走行時の安定性や燃費改善に寄与しています。ペダルの設計やトランスミッションも工夫され、スムーズな操作性が確保されています。

モータースポーツへの参加

アコードユーロRは、その性能を生かしてモータースポーツの場でも活躍しています。イタリアのNテクノロジーは、2008年の世界ツーリングカー選手権（WTCC）においてアコードユーロRをベースにしたマシンで参戦し、日本のM-TECがエンジン供給を担当しました。

このようにアコードユーロRは、快適性とスポーツ性を兼ね備えたセダンとして、ファンの間で特別な位置を占めています。高性能なエンジンや洗練されたデザインは、今も多くの自動車愛好家に愛されています。

もう一度検索