ホンダ・ドマーニ

ドマーニ（DOMANI）

ドマーニは、本田技研工業によって生産・販売されたセダン型小型乗用車です。1992年にコンチェルトの後継モデルとして登場し、シビックフェリオとプラットフォームを共有していました。このモデルは、クリオ店での販売を中心に、いすゞ自動車にもOEM供給されてジェミニとして展開されていました。

初代 MA4/5/6/7型（1992-1997年）

初代ドマーニは、1992年10月30日に発表され、11月4日に発売されました。EG型シビックフェリオを基に開発されており、シャシは同じですが、内外装は当時のバブル経済を反映した完全オリジナルのデザインが採用されていました。ドマーニは、シビックフェリオより広い室内空間を有しており、基本装備として運転席SRSエアバッグ、電動リモコンミラー、フルオートエアコン、パワーウィンドウなど多くの機能が搭載されていました。

1995年から2001年には、欧州及び英国仕様のシビック5ドアハッチバックやステーションワゴンが販売されており、これらもドマーニと同様のデザインを採用していました。また、いすゞ自動車には、同じくOEM供給されていました。この初代モデルはさまざまなグレードがあり、特に1.8Lエンジンを積んだ「Si-G」や「Si」グレードが人気でした。

1994年には一部変更が行われ、後部座席のセンターアームレストや、オートアンテナが「Si」に標準装備されるなどの改良が加えられ、それに伴い追加のボディカラーも発表されました。1996年には生産が完了し、翌年の1997年1月には2代目モデルに引き継がれました。

2代目 MB3/4/5型（1997-2001年）

1997年にはフルモデルチェンジが行われ、2代目ドマーニが誕生しました。新たなモデルは、EK型シビックフェリオを基にしながらも、バブル経済崩壊後のコストダウンの影響を受け、外装や内装の一部を除いてほぼフェリオと同じデザインとなりました。ただし、選べる内装の選択肢としてベージュが追加され、日本仕様では新たな特徴となりました。

この2代目も、引き続きいすゞ自動車にOEM供給されましたが、前後のウィンカーのデザインでは差異が見られ、カナダ仕様のアキュラ・ELとは異なる仕様が採用されました。最大グレードとなる「X」では、シビックと同様のトランスミッションが搭載されていましたが、エンジンは1.6L VTEC-Eが採用されています。

2000年にはシビックのフルモデルチェンジに伴いドマーニもメーカーの車種整理の対象となり、いすゞへのOEM供給が終了。2001年6月には在庫が完売し、販売が終了しました。これにより、クリオ店では小型セダンの取り扱いが一時的に途絶えましたが、2006年にはシビックの新たなモデルが登場し、再び小型セダンの取り扱いが開始されました。

車名の由来

「ドマーニ」という名称は、イタリア語で「明日」や「未来」を意味しています。この意義を具現化すべく、ドマーニは市場において未来的なデザインと性能を追求したモデルとして位置付けられました。

まとめ

ドマーニは、ホンダの技術力が凝縮された小型セダンとして多くのユーザーに支持されました。その独自性と優れた機能性は、特に初代時代に高く評価され、また後継モデルである2代目もシビックと共通の設計思想を持ちながらも新しい特長を持ち合わせていました。ドマーニの登場は、ホンダブランドの拡大に寄与し、市場での競争力を高めました。

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