ホンダ・モビリオスパイク

モビリオ スパイク (MOBILIO SPIKE)

モビリオ スパイクは、本田技研工業が過去に製造・販売していたトールワゴン型の小型乗用車で、初代モビリオの系譜を受け継ぐモデルです。本車は、初代フィットをベースにしたグローバルスモールプラットフォームを使用して設計され、趣味に特化したコンセプト「ガレージボックス」のもとに開発されました。5人乗りの仕様でありながら、モビリオよりも全長が55mm長く、広々とした室内空間を提供しています。

設計と特徴

モビリオ スパイクはファミリー用途のモビリオとは異なり、趣味の道具として利用することが重視されています。そのため、リアクオーターウインドウの位置に小物入れを設け、テールランプをリアバンパー内に配置して、リヤゲート幅を広くしています。また、後席には左右両側から開閉可能なスライドドアを採用し、窓は手動で開閉する留め具式のデザインが採られています。これにより、利用のしやすさが向上しています。

内装もモビリオとは異なり、前席にはベンチシートを装備。後席はフィットと同様に折りたたみ機構があり、前席の下に位置する燃料タンクのおかげで、後ろに倒すことで段差のない広い荷物室が形成されます。これにより、趣味の道具や荷物を効率よく収納することが可能です。

エンジン性能

モビリオ スパイクに搭載されるのは、L15A型エンジン1種類のみで、こちらは水冷直列4気筒の横置き配置です。最高出力は110PSで、最大トルクは14.6kgf·mを誇ります。このエンジンは、SOHCチェーン駆動のVTEC技術を備えており、非常に効率的な燃焼が実現されています。また、変速機はCVTのみで、特定のグレードでは手動操作による7段階の変速が可能です。

歴史とモデル展開

モビリオ スパイクは2002年に初めて発表され、以降数回のマイナーチェンジや特別仕様モデルが追加されました。発売当初から全10色のボディカラーを展開し、時期ごとに新しい装備や仕様が追加されています。特に2004年のマイナーチェンジでは、環境性能が大幅に向上し、排出ガス基準をクリアしました。2005年には特別仕様車「スタイリッシュエディション」が導入され、エクステリアデザインも刷新されました。2008年には生産終了を迎え、その後は在庫販売が行われました。

名前の由来

「Mobilio」という名称は「移動」を意味する「Mobility」および「移動しやすい」を表す「Mobile」から派生した造語です。「Spike」とは英語で尖ったものを意味し、「趣味に対するこだわりを大切にしたい」という思いが込められています。

まとめ

モビリオ スパイクは、そのユニークなデザインと使い勝手の良さを兼ね備えたトールワゴンであり、小型ながらも広い室内空間と多彩な収納が魅力の一台でした。趣味を楽しむための特化した設計が、多くの人々に愛された理由と言えるでしょう。

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