ホンダ・ラファーガ

ラファーガについて

ラファーガ（Rafaga）は、本田技研工業がかつて製造したセダン型の乗用車であり、その独特な設計とパッケージングが注目を集めました。この車は1993年に初代アスコットとともに発売され、日本国内専用モデルとして販売されました。

デザインとレイアウト

ラファーガは、フロントミッドシップに直列5気筒エンジンを配置し、FF（前輪駆動）ミッドシップの構成を採用しています。この配置は、走行中の安定性を高めるために設計されており、乗員にとって快適なドライビング体験を提供します。また、全幅は5ナンバーサイズでありながら、全高を上げることで室内空間に余裕を持たせたデザインが特徴です。この設計コンセプトは「新しい存在感の創造」というテーマのもとに設定されました。

エンジンと性能

エンジンには2.0Lと2.5Lの二つのバリエーションが用意されています。2.0Lエンジンは160PS、トルク19.0kgf·mを発生させる「2.0E」「2.0T」「2.0S」の3グレード、一方、2.5Lエンジンは180PS、トルク23.0kgf·mの「2.5S」となっています。こちらのエンジンすべてはSOHC4バルブで構成されており、2.0Lの場合は5速MT（マニュアルトランスミッション）の選択肢もありますが、2.5Lエンジンは4速AT（オートマチックトランスミッション）専用です。

さらに、エンジンはレギュラーガソリンを使用可能な仕様で、サスペンションには4輪ダブルウイッシュボーンが採用されています。一部のグレードにはストラットタワーバーが装備され、運動性能の向上が図られています。

外観と内装の特徴

外観では、ラファーガはアスコットとの違いを際立たせるデザインが施されています。例えば、フロントグリルや灯体回りのデザインに差別化が見られ、視覚的な独自性が演出されています。さらに、側面窓枠にはメッキモールが省略され、全体的にシンプルな印象を与えます。前後のウインカーレンズはオレンジ色に統一され、フォグランプも角型が採用されています。

内装に関しては、このサイズのクラスにふさわしい質感があり、グレードによってはウッドパネルや本革の選択肢もあります。ドア内張りにはモケットが使用され、ラグジュアリー感を高めています。さらに、1994年から実施される新保安基準に適合した設計が施され、運転席・助手席エアバッグやABSを装備することで安全性も考慮されています。

生産と販売について

ラファーガは、1993年から1997年にかけて販売され、累計登録台数は2万3305台に達しました。生産終了後も在庫対応により販売が続けられましたが、最終的には後継車のトルネオへと世代交代を果たしました。特に1995年にはスポーティな「CS」モデルが追加される計画もありましたが販売には至りませんでした。ラファーガという名称は、スペイン語で「強く吹く」という意味があります。この車は、ホンダの他のモデルとも多くの点で関連付けられており、アスコットやインスパイアといった名車たちと共に心に残る存在となっています。

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