ホンダ・レーシング・ディベロップメント

ホンダ・レーシング・ディベロップメント（HRD）

ホンダ・レーシング・ディベロップメント（Honda Racing Development、略称HRD）は、かつて本田技研工業の傘下としてF1活動を行っていた子会社です。HRDは主に1998年から2016年にかけて、イギリスのブラックネルとミルトンキーンズに拠点を持ち、ホンダのF1参戦を支える重要な役割を果たしました。

第3期の活動（1998年 - 2008年）

HRDは1998年にバークシャー州のブラックネルに設立され、初期の業務はティレルのコンストラクター部門やレースチームの吸収に取り組みました。しかし、ティレルの共同所有者であったハーベイ・ポスルスウェイトの不幸な死去以降、チームの運営は変化しました。結果的に、HRDはエンジン供給に焦点を当てました。

2000年にはB・A・Rに向けてエンジンを供給し、2002年にはジョーダン・グランプリチームにも供給を開始しました。2003年以降、ホンダの栃木とB・A・Rの設計スタッフとのコラボレーションが進み、共同での車体開発が行われました。

特に2004年のシーズンにはチームが11回の表彰台に上り、コンストラクターズランキングで2位を獲得しました。徐々にチームへの影響力を高め、2006年にはB・A・Rの株式を100%取得するに至りました。これに伴い、ホンダはスーパーアグリF1チームへのエンジン供給も行い、収益を上げました。

2008年度にはF1からの撤退を決定し、HRDの株式は当時のチームマネージャーであったロス・ブラウンに売却されましたが、社名は2016年7月まで存続していました。

第4期の活動（2015年 - 2022年）

2015年に新たにHRD Sakuraが設立されました。この施設では、F1に留まらず、日本国内のレースカテゴリであるSUPER GTやスーパーフォーミュラなどの技術開発や、過去に参戦したF1車両のメンテナンスが行われました。2019年にはHRD Milton Keynesが設立され、エンジニアが常駐し、パワーユニットやバッテリーパックの開発が進められました。

2020年にはホンダが2021年シーズンをもってF1から再度撤退することを発表し、2022年にはHRD Sakuraがホンダ・レーシング（HRC）に移管され、HRC四輪レース開発部として再編されました。同年にはHRD Milton Keynesも業務を終了し、引き継ぎ先のレッドブル・パワートレインズに業務が移されたのです。

このように、HRDはホンダのF1における重要な役割を担い、数々の成果を上げながらも、モータースポーツ界の変遷の中でその形を変えてきました。ホンダの北米におけるドライバー開発を行うホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント（HPD）とも関係がありながら、それぞれの役割を確立しています。

参考文献

- ブラウンGP
- モータースポーツ
- F1コンストラクターの一覧

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