ボブ・チャールズ

サー・ボブ・チャールズ：伝説の左利きゴルファー

サー・ロバート・ジェームス・チャールズ（Sir Robert James Charles, ONZ, KNZM, CBE, 1936年3月14日 - ）は、ニュージーランドが生んだ世界的なプロゴルファーです。ゴルフ界では珍しい左利き（右打ち）でありながら、卓越した技術と才能で数々の偉業を成し遂げました。特にパッティングの名手として知られ、多くのプロゴルファーからも指導を仰がれる存在です。

生い立ちとアマチュア時代

ボブ・チャールズは、ウェリントン地方のカータートンで生まれました。父親は教師で、後にクライストチャーチのカシミア・ハイスクールの校長を務めました。両親ともにアマチュアゴルファーとして優秀な成績を収めており、ゴルフ一家で育ちました。

18歳で銀行に就職し、銀行員として働きながらアマチュアゴルファーとして競技を続けました。驚くべきことに、プロのレッスンを受けることなく、1954年のニュージーランド・オープンで当時のコースレコードとなる280で優勝を果たしました。当時18歳8ヶ月という若さでの快挙でした。当初はプロ転向の意思はなく、その後6年間は銀行員として勤務しながら、ニュージーランド代表のアマチュア選手として国際大会に出場しました。

プロ転向後の活躍

1960年、ボブ・チャールズはプロに転向し、主戦場を北米とヨーロッパに移しました。1961年にはニュージーランドPGAチャンピオンシップ、1962年にはスイス・オープン（現・ヨーロピアン・マスターズ）で優勝。1963年4月には、ヒューストン・クラシック（現・ヒューストン・オープン）でPGAツアー初優勝を飾りました。これは左利き選手として同大会初の優勝者となりました。同年7月には、ゴルフ界最高峰の舞台である全英オープンでメジャー初制覇を成し遂げ、その名を世界に轟かせました。その後、PGAツアーで通算6勝、ヨーロピアンツアーで4勝を挙げるなど、輝かしい実績を残しました。

シニアツアーでの活躍と引退、そして復帰

50歳になったボブ・チャールズは、PGAシニアツアー（現・チャンピオンズツアー）に参戦。1987年3月のヴィンテージ・クライスラー・インヴィテーショナルでシニアツアー初優勝を飾ると、1988年と1989年には二年連続でシニアツアー5勝を挙げ、1989年にはPGAシニアツアーの賞金王に輝きました。1993年には全英シニアオープンでシニアメジャー初制覇。PGAシニアツアーでは通算23勝を記録しました。PGAツアーの永久シード権も保持しています。2010年シーズンで現役を引退しましたが、2012年シーズンにはシニアツアーに復帰しました。

受勲と世界ゴルフ殿堂入り

ボブ・チャールズは、ゴルフ界への貢献が認められ、数々の栄誉に輝いています。1972年にはイギリス女王から大英帝国勲章（オフィサー）、1992年には大英帝国勲章（コマンダー）を授与されました。1999年には、ニュージーランド女王からニュージーランド・メリット勲章ナイトの勲位を授与され、サーの称号を得ました。2008年には世界ゴルフ殿堂入りを果たし、2011年にはニュージーランドでは最高位となるニュージーランド勲章を授与されました。2015年7月には、全英オープンのチャリティーイベント「チャンピオン・ゴルファーズ・チャレンジ」で第2グループのキャプテンを務めました。

主な優勝記録

PGAツアー：6勝
ヨーロピアンツアー：4勝
オーストラリアツアー：8勝
PGAシニアツアー：23勝
* ヨーロピアンシニアツアー：2勝

サー・ボブ・チャールズは、その卓越した技術と不屈の精神で、ゴルフ史に名を刻む偉大なゴルファーです。彼の功績は、後世に語り継がれることでしょう。

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