ボルク＝エネディ＝ティベスティ州

ボルク＝エネディ＝ティベスティ州について

ボルク＝エネディ＝ティベスティ州（Borkou-Ennedi-Tibesti, BET）は、チャドの北部に位置していた広大な行政区画です。この州はその面積が600,350平方キロメートルで、チャド全体の半分を占めるほどの広さを誇っていました。この地域にはサハラ砂漠が広がり、人口は非常に希薄であることが特徴です。人口についての調査が行われなかったため、詳細な人数は分からないものの、過去の国勢調査によると1993年には73,185人、2009年には286,986人だったとされています。

州の北側はリビア、東はスーダン、西はニジェールと国境を接し、南側には幾つかの州と隣接しています。この州は1947年から1960年まで、また2002年から2008年までの二度にわたり存在しましたが、後者の期間に関しての詳細を中心に見ていきます。

歴史的背景

ボルク＝エネディ＝ティベスティという名称は、チャドの植民地時代から行政区画名として使用されてきました。この地域は常に北部を管轄する位置づけでした。1999年にこの州は廃止され、その後ボルク県、エネディ県、ティベスティ県という三つの県に再編されました。しかし、2002年には再びボルク＝エネディ＝ティベスティ州として生まれ変わり、初代の州知事にはハミド・ロニー将軍が任命されました。

2008年には再び行政区画が変更され、ボルク州、エネディ州、ティベスティ州の3州に分けられました。このため、以降はチャド北部を一体的に管理する州は存在しない状況になりました。州の変遷をまとめると以下のようになります：

• - 1914年 - 1935年: ボルク＝エネディ行政区（Circonscription）
• - 1935年 - 1947年: ボルク＝エネディ＝ティベスティ県（Département）
• - 1947年 - 1960年: ボルク＝エネディ＝ティベスティ州（Région）
• - 1960年 - 1999年: ボルク＝エネディ＝ティベスティ県（Préfecture）
• - 1999年 - 2002年: 廃止
• - 2002年 - 2008年: ボルク＝エネディ＝ティベスティ州（Région）

2002年時点では、4つの県と18の支庁（郡）に分かれており、その後これらの県は全て州に昇格したため、現在の県とは縁がありません。

地理的特徴

ボルク＝エネディ＝ティベスティ州全域は砂漠気候に属し、ケッペンの気候区分でも砂漠として分類されています。この地形に生息していた動植物も多くありましたが、土地開発や砂漠化が進行した結果、特にチャドリカオン（Lycaon pictus sharicus）は絶滅してしまったとも言われています。

この州内には注目すべき自然の名所も存在しました。特に、ボデレ低地やエネディ山地、ティベスティ山地は地域の特異な地形を形成しており、エミクーシ山はチャド最高峰として知られています。また、ウニアンガ湖群やアオゾウ地帯も地理的な特徴を際立たせています。

このように、ボルク＝エネディ＝ティベスティ州はその広大な面積と独特の地理的特徴から、チャドの歴史や文化において重要な役割を果たしてきました。

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