ボルス (タタル部)

ボルス（Borsu） — モンゴル帝国の将軍

ボルス（生没年不詳）は、モンゴル帝国の時代にタタル部に属した将軍で、特に彼がクビライに仕えたことで知られています。『元史』などの古文献では「孛児速」という名でも記されています。彼の生涯や業績については多くの記録が残っており、その中でも特に軍事的な功績が評価されています。

早期のキャリア

ボルスは、クビライが皇帝に即位する前の時期、彼の宿営で仕官していました。彼の将軍としての活動は、雲南・大理遠征からの帰還途中に起きた事件から始まります。この頃、クビライ軍が高阜に駐留していた際に、河北地域から彼らを襲おうとする敵勢が現れます。クビライが状況を把握し、周囲の者たちに対し「この敵をどうすべきか」と尋ねたところ、ボルスは自ら志願して対抗策を提案しました。彼の勇敢さがここで際立ちます。

戦闘での功績

ボルスは、自らの衣服を脱ぎ捨て、河に飛び込む勇気を見せました。彼は船尾にいる二人の敵を排除し、その後に船を岸に引き寄せました。混乱する敵の陣地で彼は冷静に行動し、船中の者たちを統率して捕虜を確保しました。この活躍によって、彼は雲南遠征の成功に貢献し、後の論功行賞でその功績が称賛されました。この出来事は、ボルスが優れた指揮官であり、勇気ある戦士であったことを示すものです。

次世代への影響

ボルスの業績は、彼の家族にも影響を与えました。息子の答答呵児（タタハジ）は父に従って軍での功績を重ね、武徳将軍や掲只掲烈温千戸所ダルガチという高い地位を得ることとなります。ボルスの影響下で育った答答呵児は、父の名声を更に高める一因となりました。

ナヤン・カダアンの乱とその後

後にナヤン・カダアンの乱が発生すると、答答呵児はコルゲン家のエブゲンを捕虜するという功績を挙げ、軍での地位を嵩上げました。クルク・カアン（武宗カイシャン）の治世に入ると、彼は懐遠大将軍・元帥に任ぜられますが、ボルスの一族にとっては期待と困難が混在していました。

結論

ボルスの軍人としてのキャリアは、モンゴル帝国の歴史において重要な位置を占めています。彼の勇気ある行動や指導力は、後世の軍人たちに大きな影響を与え、モンゴル帝国の発展に寄与したと言えるでしょう。ボルスの功績は、彼の名が歴史に刻まれ続けることを証明しています。

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