ボルミオ

ボルミオ：温泉とスキーの魅惑的な町

ボルミオは、イタリアのロンバルディア州ソンドリオ県に位置する人口約4,100人のコムーネです。アッダ川の源流に抱かれ、北はスイスとの国境に接しています。古くから温泉地として、また近年はスキーリゾート地として発展してきたこの町は、豊かな自然と歴史、文化が織りなす魅力的な場所です。

地理と自然

ボルミオは、ティラーノから北北東へ32km、ソンドリオから北東へ50km、メラーノから西南西へ64kmの距離にあります。周囲をヴァル・ミュスタイール（スイス）、ステルヴィオ、ヴァルフルヴァ、ヴァルディソット、ヴァルディデントロといったコムーネに囲まれています。アッダ川が流れ、その豊かな水が町を潤しています。

歴史

ボルミオの温泉の歴史は古く、6世紀には東ゴート王国の外交官カッシオドルスがその効能を讃える書簡を残しています。中世には周辺地域を支配し、10世紀から13世紀にかけてはコモやクールの司教による支配を受けましたが、独立を維持しました。1377年には自治権を回復し、重要な特権を獲得。ヴェネツィアと北ヨーロッパを結ぶ交易路の中心として栄え、1400年には人口5000人、32の塔が建ち並ぶ繁栄を見せました。

1487年、グラウビュンデンの包囲を受け、三同盟との協定を結ばされたことで、ボルミオの繁栄は終焉を迎えます。その後、ペストや政治的・軍事的衰退に見舞われ、1512年には三同盟の保護領となりました。ナポレオン時代にはチザルピーナ共和国に併合され、その後はロンバルディアの他の地域と同様に、ハプスブルク家の支配を経てイタリア王国に統一されました。第一次世界大戦では、ステルヴィオ峠が戦場となりました。

行政と地域区分

ボルミオには、ステルヴィオ峠上のPasso dello Stelvio地区をはじめ、Combo、Buglio、Dossiglio、Maggiore、Dossorovinaなどの地区があります。また、広域行政組織であるアルタ・ヴァルテッリーナ山岳部共同体の事務所所在地でもあります。

文化と観光

ボルミオは、温泉と巨大なスキー施設がある複合リゾート地として有名です。

温泉

温泉地としての歴史は古く、ローマ時代に遡るとも言われています。「バーニ・ヴェッキ」には1世紀に作られたとされる洞窟を利用した浴室があり、レオナルド・ダ・ヴィンチやジュゼッペ・ガリバルディも訪れたと伝えられています。町の中心には「ボルミオ・テルメ」という温泉センターがあり、北には「バーニ・ヴェッキ」「バーニ・ヌオヴィ」があります。特に「バーニ・ヴェッキ」のパノラマ露天風呂は、アルプスの山並みを一望できる名所として知られています。泉質は気管支炎や婦人科疾患などに効果があるとされています。

スキー

夏でも雪が残るボルミオは、スキーリゾート地としても人気です。アルペンスキーのコース「Pista Stelvio」は、標高差約1000m、距離約3000mを誇り、アルペンスキー・ワールドカップの滑降競技も開催されます。また、ステルヴィオ峠は夏スキーのメッカとして知られています。

食文化

この地方の料理はボリュームがあることで有名で、特にヴァルテッリーナの名物料理であるピッツォッケリは、そば粉を用いたパスタとチーズ、ポテトを絡めた濃厚な味わいが特徴です。

交通

ボルミオには、国道SS38号線とSS301号線が通っています。SS38号線は、セルニオとボルミオを結ぶ高規格の新道が建設されています。

姉妹都市

ボルミオは、スペインのBellpuig、フランスのHuezと姉妹都市提携を結んでいます。

ボルミオは、その豊かな自然、歴史、文化、そして温泉とスキーという魅力的な観光資源によって、訪れる人々を魅了し続けています。

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