ボローニャ県

ボローニャ県：エミリア・ロマーニャ州の中核都市圏

ボローニャ県は、イタリア共和国エミリア＝ロマーニャ州の中央に位置する、歴史と文化、そして活気に満ちた地域です。県都であるボローニャ市は、エミリア＝ロマーニャ州の州都も兼ねており、同州内でも最大の人口を擁する都市として知られています。2015年以前は「Provincia di Bologna」として知られていましたが、行政改革に伴い「Città metropolitana di Bologna」へと移行しました。本記事では、歴史的な経緯も踏まえつつ、ボローニャ県全体を包括的に解説します。

地理的位置と周辺環境

ボローニャ県は、エミリア＝ロマーニャ州のほぼ中央に位置し、周囲にはフェラーラ県、ラヴェンナ県、モデナ県などの県に加え、トスカーナ州のフィレンツェ県、プラート県、ピストイア県と隣接しています。県都ボローニャ市は、モデナ、フェラーラ、ラヴェンナ、フィレンツェ、ローマといった主要都市からも比較的容易にアクセスできる交通の要衝となっています。

主要都市と人口

ボローニャ県内には多くの都市が存在しますが、特に人口1万人以上の都市として、ボローニャ市（約37万人）、イーモラ市、カザレッキオ・ディ・レーノ市、サン・ラッザロ・ディ・サーヴェナ市などが挙げられます。ボローニャ市は、県内のみならず、エミリア＝ロマーニャ州全体における人口の中心でもあります。

行政区画

ボローニャ県には、大小様々な55のコムーネ（基礎自治体）が存在します。21世紀に入ってからは、コムーネ間の合併も進められており、例えば2014年には複数の小規模コムーネが合併してバルサモッジャ市が、2016年にはアルト・レーノ・テルメ市が誕生するなど、行政区域の再編が進められています。

経済と産業

ボローニャ県の経済規模は非常に大きく、2017年のGDPは約350億ユーロに達し、一人当たりGDPは34,251ユーロと、イタリア国内でも上位にランクインしています。その経済を支えているのは、古くからの農業・畜産業に加え、機械産業、自動車産業、エネルギー産業、繊維産業、化学産業、印刷・出版産業など多岐にわたる産業です。

特にボローニャ県は、世界的に有名な自動車メーカーの本拠地として知られています。ドゥカティ社（オートバイ）の本社・工場がボローニャ西部に、ランボルギーニ社（自動車）の本社・工場がサンターガタ・ボロニェーゼにあるなど、自動車産業が地域経済を大きく牽引しています。食品業界では、Granarolo社、Conserve Italia、セガフレード・ザネッティ社などが有名です。これらの企業が生産する製品は、イタリア国内のみならず世界各国に輸出されています。毎年12月にはボローニャモーターショーが開催され、世界中から多くの来場者を集めています。

スポーツ

ボローニャ県には、セリエAに所属するボローニャFCなど、プロサッカークラブもあります。また、イーモラ市にはイモラ・サーキットがあり、かつてはF1サンマリノグランプリも開催されていました。

交通

ボローニャ市にはボローニャ・ボルゴ・パニゴーレ空港があり、国内外への空のアクセスも確保されています。

著名な出身者

ボローニャ県は、歴史上多くの著名な人物を輩出しています。芸術分野では、バロック期の画家アンニーバレ・カラッチ、発明家のグリエルモ・マルコーニ、作曲家のオットリーノ・レスピーギなどが挙げられます。また、映画監督のピエル・パオロ・パゾリーニ、実業家のルカ・ディ・モンテゼーモロ、サッカー審判員のピエルルイジ・コッリーナなどもボローニャ県出身です。さらに、アルペンスキー選手のアルベルト・トンバや、オートバイレーサーのロリス・カピロッシといったスポーツ選手もボローニャ県で生まれ育ちました。

まとめ

ボローニャ県は、豊かな歴史と文化、そして活気ある経済活動を誇る、イタリアを代表する地域の一つです。歴史的建造物、伝統産業、そして近代的な産業が調和し、魅力的な都市景観と活気あふれる社会を形成しています。 今後も、その発展が期待される地域です。

もう一度検索