ボーンベッド

ボーンベッドとは

ボーンベッド（英語: bone bed）とは、古生物の骨やその破片が大量に存在する特定の地層や堆積物のことを指します。この地層には鱗、歯、糞石、さらには有機物の残骸も多く含まれ、リンが豊富であることが特徴です。この言葉の「ベッド」は層を意味し、骨層とも呼ばれています。ボーンベッドは、特に化石が豊富に産出される地層を示す際に、ラーゲルシュテッテンなどの用語とともに使われることもあります。

概説

ボーンベッドという言葉は直訳すると「骨の寝床」となりますが、特に地層内で骨の破片が形成する薄い層を指すことに用いられます。中でも、シルル系上部ラドロウ統に位置するラドロウ骨層が有名で、イングランドのラドロウ町近郊で見られます。この骨層は、硬鱗魚類の棘や歯、鱗の断片が主成分で、72kmにわたって広がっています。また、ブリストルやライアス・ボーンベッドとして知られる骨層もあり、これはイングランド南西部のコイパー泥灰岩の上部に見られ、魚類や絶滅爬虫類の化石が含まれています。

さらに、北米や南米、モンゴル、中国などでもボーンベッドが記録されており、ポルトガルの三畳紀のメトポサウルスのものや、アメリカのユタ州におけるアロサウルスの密集層など、多様な例があります。日本国内でも、特に兵庫県や福井県、石川県など日本海側でボーンベッドが多く発見されており、2018年8月時点で10カ所に及びます。

分類

ボーンベッドは、単一の生物由来の化石で構成される「モノタクシック・ボーンベッド」と、異なる生物の化石が混在する「マルチタクシック・ボーンベッド」に分けられます。モノタクシックでは、特定の生物の生態や行動を読み解く手がかりとされ、アロサウルスやイグアノドンなどが例に挙げられます。一方、マルチタクシックではさまざまな生物の化石が見つかるため、同じ時代の生物相を知る手助けとなります。

成因

ボーンベッドが形成される背景には、集団で生活する生物の大量死があります。自然災害や感染症、干ばつなどが原因となり、同じ時に多くの生物が死亡することが少なくありません。例えば、洪水や火災が原因の大量死では、死んだ生物は水辺にたまり、その後に発生した病気が新たな感染を引き起こすこともあります。

また、化石の保存には水の作用が重要で、陸上で長い間露出しているよりも、海や川の堆積物に早く埋もれることで遺骸の保存が促進されることがあります。

まとめ

ボーンベッドは、古生物学の研究において非常に重要な役割を果たす地層です。さまざまな地域で発見されており、そこから得られる情報は、生物の生態や環境についての理解を深める手助けとなります。化石の研究を通じて、過去にどのような生物が生息していたのかを知る手段として、ボーンベッドは今後も注目され続けるでしょう。

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