ポサヴィナ県

ポサヴィナ県（Posavski kanton）

ポサヴィナ県は、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦を構成する県の一つです。ボスニア語、クロアチア語、セルビア語ではそれぞれ異なった名称を持ちますが、いずれもサヴァ川沿いの地域を指し示しています。県都はオラシエであり、この地域はボスニア・ヘルツェゴビナとクロアチアにまたがるポサヴィナ地方の一部を構成しています。

基礎自治体

ポサヴィナ県は、以下の3つの基礎自治体から成り立っています。

ドマリェヴァツ（Domaljevac）
オジャク（Odžak）
オラシエ（Orašje）

人口構成

2003年の調査によると、ポサヴィナ県の人口は約43,558人です。民族別の内訳は以下の通りです。

クロアチア人: 36,049人 (82.8%)
ボシュニャク人: 6,360人 (14.6%)
セルビア人: 728人 (1.8%)
その他: 367人 (0.8%)

このデータから、ポサヴィナ県はクロアチア人が多数を占める地域であることがわかります。

地理的特徴

ポサヴィナ県は、クロアチアとの国境となっているサヴァ川に沿って東西に広がっています。サヴァ川は、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビアを流れ、ドナウ川へと合流する国際河川であり、ボスニア・ヘルツェゴビナにとってはクロアチアとの国境線の一部を形成しています。

「ポサヴィナ」という地名は、「サヴァ川沿い」という意味の方言に由来し、この地域一帯を指す名称として用いられています。特にポサヴィナ県のみを指す場合は、「ボサンスカ・ポサヴィナ」（ボスニアのポサヴィナ）と呼ばれることもあります。ポサヴィナ県は、ボスニア北部地域において、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦に属する唯一の県であり、他の地域はスルプスカ共和国またはブルチコ行政区となっています。

ポサヴィナ地方は、サヴァ川が近くを流れ、平坦な低地が広がっているため、農業に適した土地となっています。この肥沃な土地は、ボスニア・ヘルツェゴビナとクロアチア両国の農業生産において重要な役割を果たしています。

スポーツ

県都オラシエに本拠地を置くサッカークラブ、HNKオラシエは、ボスニア・ヘルツェゴビナ杯で優勝した実績を持っています。このクラブは、地域のスポーツ振興に大きく貢献しています。

関連項目

ボスニア・ヘルツェゴビナの地方行政区画
* ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦の県

ポサヴィナ県は、ボスニア・ヘルツェゴビナの多様な歴史と文化が交錯する地域であり、今後の発展が期待されています。

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