ポティーン

ポティーン（Poitín）は、アイルランドの伝統的な蒸留酒であり、そのアルコール度数は40%から90%と非常に高いのが特徴です。かつては「Irish moonshine（アイルランド密造酒）」や「mountain dew（山のしずく）」とも呼ばれていました。

語源と歴史

ポティーンという名前は、アイルランド語でポットを意味する「pota」に由来します。これは、歴史的に小さいポットスチル（蒸留器）を用いて蒸留されていたことに起因します。アイルランドの蒸留の歴史は古く、ポティーンはその伝統を色濃く残す蒸留酒と言えるでしょう。

原料

ポティーンは、多様な原料から製造されます。具体的には、シリアル、穀物、乳清、テンサイ、糖蜜、そしてジャガイモなどが用いられます。これらの原料を発酵させ、蒸留することで、独特の風味と高いアルコール度数が生まれます。

法的地位

ポティーンの製造と販売は、歴史的に複雑な法的状況にありました。1556年には、ドロヘダで行われた議会で、アルコール飲料を蒸留するためには免許を取得することが義務付けられました。これにより、無許可でのポティーン製造は違法となり、密造酒としてのイメージが強まりました。

しかし、近年では、一部の蒸留所が正式な許可を得て、伝統的な製法に基づいたポティーンを製造・販売しています。これらの合法的なポティーンは、アイルランドの文化遺産として、その価値が見直されています。

二日酔い

ちなみに、二日酔いを表すアイルランド語は「póit」です。ポティーンを飲みすぎると、ひどいpóitになるかもしれません。

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